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ママ必見!乳児との防災、これだけは備えたい安心リストと行動計画

赤ちゃんを育てながら「もし地震や台風、停電が起きたらどうしよう」と不安を感じているママやパパに向けて、この記事では「乳児と一緒の防災」をゼロから分かりやすく解説します。乳児は自分で動けず、体温調節や水分補給も大人の助けが不可欠な存在です。そのため、一般的な防災対策だけでは不十分で、ミルクやおむつ、離乳食、衛生管理、避難時の抱っこや授乳スペースなど、乳児ならではの視点で準備と行動を考える必要があります。

この記事を読むことで、災害から乳児を守るための基本的な考え方から、非常持ち出し袋に入れるべき具体的な乳児用品、自宅での備蓄リスト、地震や停電・断水が起きたときの行動手順、避難所での授乳・ミルク作りやおむつ替えの工夫、家族で共有しておきたい防災計画まで、一連の流れが体系的に理解できます。また「なぜその準備が必要なのか」という理由や優先順位も示しながら解説するため、「何から始めればいいか分からない」という不安を、今日から実行できる具体的な行動に変えることができます。

さらに、母子手帳や医療情報の持ち歩き方、普段の生活の中でできる防災訓練や地域の避難所・支援体制の確認方法、災害時の情報収集のポイント、ママ・パパ自身の心のケアの工夫にも触れます。検索ニーズの高い「防災 乳児」「非常持ち出し袋」「避難所」「ミルク」「おむつ」「備蓄」といったテーマを網羅的にカバーしつつ、日本の子育て家庭の実情に即した内容になっているので、このページを読み終えるころには、「乳児と一緒でも、ここまで準備できていれば大丈夫」と思える、自分たちの防災計画を描けるようになることを目指しています。

1. 乳児を守る防災の基本

日本は地震・台風・豪雨・洪水・土砂災害など、年間を通してさまざまな自然災害が発生する国です。大人でさえ大きなストレスや危険にさらされる状況で、首がすわっていない、歩けない、言葉で不調を訴えられない乳児は、より大きなリスクを抱えています。だからこそ、日常の育児の延長線上で「防災 乳児」を考え、災害時にも赤ちゃんの命と健康を守れるようにしておくことが重要です。

ここでは、具体的な備蓄や行動計画を立てる前に知っておきたい、「乳児を守る防災」の基本的な考え方や優先順位を整理します。次章以降で触れる非常持ち出し袋や避難行動をイメージしやすくするための土台となる部分です。

1.1 災害から乳児を守る重要性

乳児は大人や幼児と比べて、身体的にも心理的にも非常にデリケートです。災害時の環境変化やライフラインの途絶は、短時間でも赤ちゃんの健康に大きな影響を与えることがあります。特に次のような点で、乳児は災害に対して弱い立場にあります。

  • 自分で歩いて逃げたり、身を守る姿勢をとることができない
  • 体温調節機能が未熟で、暑さ・寒さの影響を受けやすい
  • 体内の水分量が少なく、脱水になりやすい
  • 免疫機能が未熟で、感染症にかかりやすい
  • 不快さや体調不良を言葉ではなく「泣く」ことでしか伝えられない

これらの特徴から、災害による断水・停電・物流の停止、避難所生活などは、乳児の命と発達に直接関わる問題になり得ます。例えば、ミルク用の安全な水や、月齢に合った離乳食、おむつ・おしりふきが不足すると、栄養不足や脱水、皮膚トラブル、感染症のリスクが高まります。また、狭い避難スペースでの生活や騒音・照明などの刺激は、睡眠リズムの乱れや情緒不安定を招きやすくなります。

災害の種類によっても、乳児への影響や注意点は異なります。主な災害と乳児のリスクを整理すると、次のようになります。

災害の種類 乳児に生じやすい主なリスク 事前に考えておきたいポイント
地震・津波 家具の転倒・落下物によるけが、揺れや音による強い恐怖、津波・火災からの避難遅れ 家具固定や落下物対策、抱っこ紐での避難練習、津波浸水想定エリアの確認と複数の避難ルートの把握
台風・豪雨・洪水 浸水や土砂崩れによる自宅からの避難、長時間の停電・断水、湿度や気温変化による体調不良 早めの避難判断、車・公共交通機関を使った移動の可否確認、非常用の水・ミルク・衣類の事前準備
大規模停電・断水 ミルクや離乳食の調理困難、冷暖房が使えないことによる低体温・熱中症、衛生環境の悪化 常温で保存できるミルクやベビーフードの備蓄、カイロ・毛布・うちわなど体温調節グッズの確保、簡易的な手指衛生の方法
冬季の大雪・寒波 外出困難による育児用品の不足、低体温やしもやけ、暖房器具使用による事故 オールシーズンを意識した防寒グッズの備蓄、室内での安全な暖房利用方法の確認、長期化を見越したおむつ・ミルクの余裕分確保

このように、「どの災害で、わが家の乳児にどんなリスクがあるか」を具体的にイメージしておくことが、防災対策の第一歩になります。住んでいる地域のハザードマップや、内閣府「防災情報のページ」、各自治体の防災サイトなどを確認し、想定される災害を家族で共有しておきましょう。

また、災害時は医療機関も混雑し、すぐに診察を受けられない場合があります。持病やアレルギーがある乳児の場合は、かかりつけ医に「災害時の対応」について事前に相談しておくと安心です。平常時からかかりつけ医・保健センター・子育て支援窓口とつながっておくこと自体が、乳児の防災力を高めることにつながります。

1.2 防災 乳児のための心構え

「防災 乳児」の準備は、非常持ち出し袋や備蓄品をそろえるだけでは不十分です。災害はいつ・どこで・どの規模で起こるか分からないため、「完璧を目指す」のではなく「できる範囲で少しずつ備えを重ねていく」という心構えが大切です。そのうえで、乳児がいる家庭だからこそ意識しておきたい基本姿勢を整理しておきましょう。

まず、乳児を守る際の優先順位として、次の3つを念頭に置きます。

  • 命を守ることを最優先にする(安全確保・避難の判断)
  • 乳児の健康と発達をできるだけ守る(栄養・睡眠・衛生・体温調節)
  • 保護者自身の心身の安全と余力を確保する(「支える人」が倒れないこと)

乳児と一緒の避難や避難所生活では、保護者が疲れ切ってしまうと、冷静な判断や日常的なケアが難しくなります。「親だけで頑張りすぎない」「家族や地域と助け合う」ことも、防災対策の一部と考えることが大切です。

平常時と災害時で、意識しておきたい心構えの違いを整理すると、以下のようになります。

場面 心構えのポイント 具体的なイメージ
平常時 「もし今災害が起きたら」を日常の中で具体的に想像する 授乳中・おむつ替え中・お風呂中・ベビーカーで外出中などの場面ごとに、乳児をどう守るか・どこへ避難するかを家族で話し合う
災害発生直後 一度立ち止まり、「乳児の安全」と「自分の安全」を同時に確認する 揺れを感じたらまず自分が転倒しない体勢をとり、その上で乳児を守る/無理な移動は避け、状況が落ち着くまで安全な場所にとどまる
避難生活・復旧期 完璧を求めすぎず、「できていること」に目を向ける 離乳食が普段どおりに用意できなくても、命と最低限の健康が守れていれば良しとする/周囲の支援や公的な相談窓口を積極的に利用する

このような心構えを持つことで、予期せぬ状況の中でも柔軟に対応しやすくなります。特に乳児がいる家庭では、次の点も意識しておくと安心です。

  • 母親・父親だけでなく、祖父母やきょうだいとも避難方法や連絡手段を共有しておく
  • 近所のママ友・パパ友や、自治会・子育て支援施設など、日頃からつながりを作っておく
  • 抱っこ紐で両手をあけて動けるようにしておくなど、「乳児を連れて動く」練習をしておく
  • 母子健康手帳・お薬手帳・アレルギー情報は、すぐに持ち出せる場所とデジタルデータの両方で管理する
  • ニュースやインターネット情報に振り回されすぎず、自治体や日本小児科学会東京都防災ホームページなど、公的機関の情報を優先して確認する

そして何より、「乳児がいるからこそ、少し早めに行動する」「迷ったら安全側に判断する」ことを家族の共通ルールにしておきましょう。早めの避難や余裕を持った備蓄は、赤ちゃんだけでなく家族全員の安心につながります。

2. ステップ1 家庭での防災準備を整える

乳児がいる家庭では、地震・台風・豪雨などの災害に備える際、大人だけの防災対策とは別に、月齢に応じた細かな準備が欠かせません。特にミルクやおむつなどの生活必需品は、ライフラインの途絶や物流の停止が起きると手に入りにくくなります。「防災 乳児」の視点で、非常持ち出し袋と自宅備蓄の両方を計画的に整えておくことが、赤ちゃんの命と健康を守る最も確実な方法です。

内閣府の防災情報のページでも、災害時に備えた食料や飲料水の備蓄は「少なくとも3日分、可能であれば1週間分」が推奨されています。乳児のいる家庭では、これを目安にしつつ、赤ちゃんに特有の必需品を「持ち出し用」と「自宅用」に分けて準備しておきましょう。

2.1 必ず用意したい乳児向け非常持ち出し袋

非常持ち出し袋は、避難所や親戚宅などに一時的に身を寄せる際にすぐ持ち出す「一次持ち出し品」をまとめた防災リュックです。乳児がいる場合は、大人用とは別に赤ちゃん専用の非常持ち出し袋を準備し、家族の誰もが一目で分かる場所に保管しておきましょう。

以下の表は、乳児向け非常持ち出し袋に最低限入れておきたい品目の例です。月齢や体重、アレルギーの有無によって必要量は変わるため、あくまで目安として、自分の子どもの状態に合わせて調整してください。

カテゴリー 主なアイテム 備えるポイント
授乳・ミルク 粉ミルク、液体ミルク、哺乳瓶、乳首、調乳用のお湯を入れるボトル 普段使い慣れているメーカーを基本に、断水・停電でも使いやすい液体ミルクも用意する。
おむつ・清潔 紙おむつ、おしりふき、ビニール袋、防臭袋 サイズアウトに注意し、定期的に中身を入れ替える。かぶれ対策用のクリームも一緒に。
衣類・防寒 肌着、ロンパース、靴下、帽子、ブランケット、スリーパー 季節に応じて「重ね着」できる枚数を確保。汚れた場合を想定し、予備を多めに準備する。
薬・衛生用品 処方薬、綿棒、ガーゼ、ベビー用爪切り、体温計、消毒用品 かかりつけ医から処方されている薬は余裕を持って管理し、使用期限を定期的にチェックする。
心のケア お気に入りのおもちゃ、絵本、タオルなどの安心グッズ 普段からよく使っていて、見ると落ち着くものを選ぶ。音が出すぎないものが避難所向き。

これらに加えて、母子手帳や健康保険証のコピーなどの医療情報、連絡先を書いたカード、簡単な着替えは、大人用の非常持ち出し袋と合わせて確認しておくと安心です。

2.1.1 ミルクと哺乳瓶の備え方

完全母乳育児の場合でも、避難所生活や極度のストレス、ママの体調不良などで授乳が一時的に難しくなることがあります。そのため、母乳・ミルクの別にかかわらず、乳児がいる家庭ではミルクと調乳用グッズを「非常用」として必ず備蓄しておきましょう。

ミルクの備蓄では、次の点を意識すると実際の災害時に使いやすくなります。

  • 普段から飲み慣れている粉ミルクを基本に、持ち運びしやすいスティックタイプも用意する。
  • 断水や火が使えない状況も想定して、常温でそのまま飲める液体ミルクも数本備える。
  • アレルギー対応ミルクを使っている場合は、必ず同じ種類を多めにストックする。

哺乳瓶については、避難中に十分な洗浄・消毒が難しくなる可能性があります。次のような工夫をしておきましょう。

  • 哺乳瓶は少なくとも2〜3本用意し、1本が洗えなくても対応できるようにしておく。
  • 乳首も予備を数個準備し、汚れや破損に備える。
  • ミルク用の熱湯を入れられる耐熱ボトルや、水筒を防災リュックに入れておく。
  • ミルク調乳用として「軟水」のペットボトル水を使用し、硬水は避ける。

また、調乳には衛生的な水と加熱が基本です。停電や断水時の加熱手段として、カセットコンロとガスボンベを自宅備蓄に含めておくと、より安心です。

2.1.2 おむつとおしりふきの選び方

乳児にとっておむつは、1日に何度も交換する重要な消耗品です。災害時に不足すると、かぶれや皮膚トラブルだけでなく、衛生環境の悪化から感染症のリスクが高まります。非常持ち出し袋には、少なくとも数日間しのげる枚数のおむつと、おしりふきをセットで入れておきましょう。

おむつを準備する際のポイントは次の通りです。

  • 普段1日に使う枚数を把握したうえで、最低3日分、可能であれば1週間分を目安にする。
  • サイズアウトしないよう、月に1度は中身を確認し、合わなくなったサイズは日常使用に回して入れ替える。
  • テープタイプとパンツタイプ、どちらが使いやすいかを日頃から試し、避難所で替えやすいタイプを選ぶ。

おしりふきも災害時には水の代わりとして重宝します。おむつ交換だけでなく、手や身体を拭く用途でも使うことを想定し、通常より多めのパック数を入れておくと安心です。ただし、身体を拭く用途にはアルコールフリーのベビー用を選び、肌への負担を減らしましょう。

さらに、長時間のおむつ使用に備えて、かぶれを防ぐためのベビークリームやワセリンなども一緒に入れておくと、避難所でのスキンケアがしやすくなります。

2.1.3 着替えと体温調節グッズ

乳児は体温調節機能が未熟で、暑さ・寒さの影響を受けやすいことが知られています。災害時は季節を問わず、暖房・冷房が使えなかったり、薄着や厚着を強いられたりと環境が大きく変化します。非常持ち出し袋には「汚れたときの予備」と「気温の急変に対応するための重ね着」を意識して衣類を準備しましょう。

季節を問わず入れておきたい基本の衣類と体温調節グッズは、次のようなものです。

  • 肌着(半袖・長袖を数枚ずつ)
  • ロンパースやカバーオールなどの普段着
  • 靴下、タイツ
  • 薄手〜中厚手のカーディガンやパーカー
  • 帽子(夏は日よけ、冬は防寒用)
  • ブランケットやおくるみ、スリーパー

特にブランケットやスリーパーは、避難所の硬い床の冷えから守る役割も果たします。冬場はフリース素材や中綿入りのもの、夏場はガーゼ素材など、季節ごとに使い分けを意識して入れ替えると快適です。

2.1.4 薬と衛生用品のチェック

乳児は体調を崩しやすく、災害時にはかかりつけ医にすぐかかれない状況も想定されます。平時から処方されている薬や、日常的に使っている衛生用品は「非常持ち出し袋の中身」として定期的にチェックし、残量や使用期限を確認しておくことがとても重要です。

乳児の防災用として用意しておきたい薬・衛生用品の一例は次の通りです。

  • かかりつけ医から処方されている薬(整腸剤、アレルギー薬など)
  • ベビー用の綿棒、ガーゼ、コットン
  • 体温計(できれば測定が早いタイプ)
  • 消毒用アルコールやベビー用の手指消毒ジェル
  • 爪切りやヘアブラシなど、普段使っているケア用品

市販薬については、乳児に使用してよいかどうかを必ず事前に小児科医や薬剤師に確認し、自己判断で新しい薬を非常用に追加しないことが大切です。また、日本赤十字社の災害時の支援・防災に関する情報も参考に、家庭内の応急手当用品を整えておくと安心です。

2.1.5 安心を与えるおもちゃと絵本

災害時、乳児自身も周囲の慌ただしさや大人の緊張した表情から不安を感じます。避難所などの慣れない環境では、眠りが浅くなったり、ぐずりが増えることも少なくありません。そんなときに心の支えになるのが、赤ちゃんが普段から慣れ親しんでいるおもちゃや絵本、タオルなどの「安心グッズ」です。

非常持ち出し袋に入れるおもちゃや絵本を選ぶ際は、次の点を意識しましょう。

  • 普段からお気に入りで、見るだけでも落ち着くものを選ぶ。
  • 避難所の迷惑にならないよう、音や光が強すぎないものにする。
  • 汚れても洗いやすい、または拭きやすい素材のものにする。
  • かさばりにくい小さめサイズを中心に選ぶ。

お気に入りのぬいぐるみや、ママやパパの匂いがついたタオルなども、赤ちゃんの安心につながります。災害時には「いつもと同じもの」「いつもと同じ遊び」ができることが、乳児の心を落ち着かせる大きな助けになります。

2.2 自宅で備蓄すべき乳児用品

非常持ち出し袋は「すぐに避難するとき」に持ち出す最小限のセットですが、実際の災害では、自宅で在宅避難をするケースや、ライフラインが止まった状態で数日〜1週間以上過ごすケースも想定されます。「防災 乳児」の観点では、自宅に十分な量の乳児用品を備蓄しておくことが、避難行動と同じくらい重要です。

ここでは、特に重要性の高い「水とベビーフード」「停電時の明かりと暖房」「簡易トイレとゴミ袋」の3つに分けて、備蓄のポイントを整理します。

2.2.1 水とベビーフードの確保

乳児にとって、清潔な水と安全な食事は命に直結します。断水が長引いた場合、調乳用の水や、離乳食の材料が手に入らなくなる可能性もあります。日常の買い物の延長で「ローリングストック」を実践しながら、赤ちゃん専用の飲料と食事の備蓄を途切れさせないことが大切です。

自宅備蓄の目安としては、家族全員分の飲料水に加え、乳児の調乳・離乳食調理のための水を余裕を持って確保します。ベビーフードは、月齢やアレルギーに合ったものを選び、賞味期限のチェックを習慣にしましょう。

品目 備蓄の目安 ポイント
飲料水 家族分に加え、乳児用に調乳・飲用で余裕を持って確保する。 調乳には軟水のミネラルウォーターを使用し、未開封のペットボトルを常備する。
粉ミルク・液体ミルク 通常使用量に加え、少なくとも数日〜1週間分を目安にする。 日常的に使いながらストックを回転させるローリングストックを行い、賞味期限切れを防ぐ。
ベビーフード 月齢に合わせた瓶詰め・レトルト・フリーズドライなどを数日〜1週間分。 アレルギーの有無に合わせて選び、表示を確認してから備蓄する。
おやつ ベビー用せんべいなど、普段食べ慣れたものを数種類。 気分転換やエネルギー補給用として、食べ散らかしにくいものを選ぶ。

東京都など自治体が提供する防災情報(例:東京都の防災関連情報)も参考に、地域の災害リスクや想定されるライフライン停止期間を確認したうえで、家庭ごとの「必要日数」を考えておくとより実情に即した備蓄ができます。

2.2.2 停電時の明かりと暖房

停電が発生すると、照明やエアコン、電気ストーブなどが使えなくなり、夜間の授乳やおむつ替えにも支障が出ます。特に冬の停電は、乳児の低体温のリスクを高めます。自宅備蓄では「安全に使える明かり」と「電気に頼らない防寒・暑さ対策」を意識して準備しておきましょう。

明かりの備えとしては、次のようなものが役立ちます。

  • LED懐中電灯(家族人数分、できれば乳児のいる部屋専用も1本)
  • 電池式や手回し式のランタン
  • 予備の乾電池、充電式バッテリー
  • 頭に装着できるヘッドライト(両手が空くので抱っこしながらの作業に便利)

ろうそくは一見手軽に思えますが、転倒による火災の危険が高く、乳児がいる環境には適しません。明かりは基本的にLEDタイプを選び、火を使うものは避けましょう。

暖房・寒さ対策としては、次の備えが有効です。

  • 毛布やブランケット、スリーパーを季節に応じて複数枚用意する。
  • 大人用のダウンコートやポンチョ型ブランケットで、抱っこしたまま赤ちゃんごと包めるようにする。
  • カイロは、乳児の肌に直接貼らず、タオルや服の上から大人が使用し、そのぬくもりを抱っこを通して伝える。
  • 窓からの冷気を防ぐために、カーテンや断熱シートなども備えておく。

夏の停電では、熱中症対策が重要になります。携帯扇風機やうちわ、冷感タオル、こまめな水分補給など、電気がなくてもできる暑さ対策を複数用意しておきましょう。

2.2.3 簡易トイレとゴミ袋

断水すると水洗トイレが使えなくなり、家庭内の衛生状態が急激に悪化します。乳児の排泄ケアはおむつが中心ですが、使用済みおむつの保管方法を工夫しないと、臭いや衛生面で大きなストレスになります。在宅避難に備えて、簡易トイレと十分な量のゴミ袋・防臭袋をそろえておくことは、乳児と家族全員の健康を守るうえで欠かせない対策です。

簡易トイレとゴミ袋の備蓄ポイントを、次の表にまとめます。

品目 用途 備えるポイント
簡易トイレ 大人用の排泄用。汚物を固める凝固剤付きのものが便利。 家族人数分×数日分を目安にし、使い方を事前に確認しておく。
ゴミ袋 使用済みおむつや、汚れた衣類の一時保管用。 45L程度の大きめ袋と、小さめの袋の両方を準備する。厚手タイプだと破れにくい。
防臭袋 使用済みおむつのニオイ対策。 おむつ専用の防臭袋を用意し、避難所や車中泊などでも周囲への配慮がしやすいようにする。
使い捨て手袋 おむつ交換時や、汚物処理時の衛生対策。 ラテックスやニトリル製など、手に合うサイズを用意し、掃除にも併用できるよう多めに備える。

使用済みおむつは、できるだけ空気を抜いて小さく丸め、防臭袋で密閉してから大きなゴミ袋にまとめて入れておくと、臭いとスペースの両方を抑えられます。また、地域のごみ収集が再開した際にスムーズに出せるよう、袋には「おむつ」など中身が分かるメモを貼っておくとよいでしょう。

このように、乳児がいる家庭の防災対策では、非常持ち出し袋と自宅備蓄の両方を意識しながら、「授乳」「排泄」「体温調節」「衛生」「心の安定」の5つの視点で必要な物資を揃えておくことが重要です。日常生活のなかで少しずつ見直しと補充を繰り返し、いつ災害が起きても赤ちゃんを安全に守れる家庭の備えを整えていきましょう。

3. ステップ2 災害発生時の行動計画を立てる

地震や台風、豪雨、土砂災害などの災害は、予告なく突然起こることがあります。特に首がすわっていない乳児を抱えているママ・パパは、「揺れを感じた瞬間から避難所で過ごすまでの一連の行動」をあらかじめイメージし、家族で共有しておくことが命を守るうえで非常に重要です。

ここでは、災害発生直後から避難所での生活までを時系列で整理しながら、乳児と一緒に安全に行動するための具体的なポイントをまとめます。公的な情報は、内閣府の防災情報のページなどを参考にしつつ、各家庭の状況に合わせてカスタマイズしましょう。

3.1 揺れを感じたらすぐに行動

緊急地震速報が鳴ったとき、または実際に大きな揺れを感じたときは、まず「逃げる」よりも先に、乳児と自分自身の頭を守る行動が最優先です。地震の揺れは数十秒で収まることが多いため、その間をどうしのぐかがケガを防ぐカギになります。

自宅や外出先など、いる場所によって取るべき行動は異なります。以下の表を参考に、日頃からシミュレーションしておきましょう。

状況 乳児の安全確保のポイント 注意したい危険
自宅(和室・リビングなど)
  • 近くにいた乳児をすばやく抱き寄せ、頭と首を自分の腕やクッションで守る
  • 転倒しそうな家具やガラス戸から離れ、テーブルの下など落下物の少ない場所へ移動する
  • 揺れている間は無理に移動しすぎず、その場で安全確保を優先する
  • 食器棚や本棚の転倒、テレビや電子レンジの落下
  • 割れたガラス片や食器による切り傷
マンションの高層階
  • 家具が少ない部屋(廊下・トイレなど)に移動し、壁際でしゃがんで乳児を抱きかかえる
  • エレベーターには絶対に乗らず、揺れが収まってから階段を使って避難を検討する
  • 長く大きく揺れやすいので、転倒や家具の移動による挟まれ事故
  • 停電によるエレベーター閉じ込め
外出先(ショッピングセンター・駅など)
  • 乳児をしっかり抱っこして、落下物の少ない柱や壁際に身を寄せる
  • エスカレーターや大きなガラス窓から離れる
  • 施設のスタッフの指示に従い、案内表示に沿って避難する
  • 天井材や照明器具の落下
  • 人の転倒・将棋倒しによる圧迫
自動車で移動中
  • 急ハンドル・急ブレーキは避け、道路左側にゆっくりと停車する
  • チャイルドシートに乗っている乳児は、揺れが収まるまで座らせたままにする
  • ラジオやカーナビで情報を確認し、津波のおそれがある沿岸部では、車を置いて高台へ避難することも検討する
  • 電柱の倒壊、高速道路や橋の損傷
  • 津波・土砂崩れによる道路遮断

揺れが収まったら、ガスの元栓やブレーカーの確認、家族の安否確認など、次の行動に移りますが、「乳児が泣き続けていないか」「ケガはないか」「抱っこ紐の装着はずれていないか」などを短時間でチェックする習慣をつけておくと、安全な避難行動につながります。

3.2 安全な場所への避難方法

大きな揺れや自治体からの避難情報が出た場合、乳児と一緒に「在宅避難」を続けるか、「指定避難所や親戚宅などへ避難」するかを判断する必要があります。日本では避難情報が5段階の警戒レベルで発表されており、原則として警戒レベル4の「避難指示」が出た段階で、特に乳児を含む要配慮者は早めの避難が求められます。

ただし、夜間や悪天候、周囲の状況によっては、外へ出ることがかえって危険な場合もあります。以下の表を参考に、状況に応じて柔軟に判断できるように準備しておきましょう。

状況の例 避難の基本方針 乳児連れでのポイント
自宅が無事で、周辺に火災・倒壊の危険がない 在宅避難を検討する。ただし、断水・停電・寒さが長期化する場合は、指定避難所や親戚宅への移動も視野に入れる。
  • 室内の安全な一室に家族を集め、乳児の寝るスペースを確保する
  • 授乳やミルク、おむつ替えをしやすい環境を整える
建物の損傷が大きい、ガス漏れや火災の危険がある 速やかに屋外に避難し、自治体が指定する避難所や広域避難場所へ移動する。
  • 抱っこ紐で乳児を身体に固定し、両手を空けて歩ける状態にする
  • 避難所までの距離が長い場合は、途中で休憩できる場所を意識して歩く
津波警報・大津波警報が発表されている沿岸部 揺れの大小に関わらず、ただちに高台や津波避難ビルなど、より高く安全な場所へ避難する。
  • 原則徒歩での避難を優先し、ベビーカーより抱っこ紐を選ぶ
  • 高齢者やきょうだい児と一緒に避難する場合は、役割分担を事前に決めておく
土砂災害警戒区域や急傾斜地のそば 大雨や台風などで警戒レベルが引き上げられたら、明るいうちに平地側の避難所や安全な場所へ移動する。
  • 斜面側ではなく、反対側の歩道や道路の中央寄りを歩く
  • 落石や冠水箇所を避け、遠回りでも安全なルートを選ぶ

避難先は、自治体が指定する避難所だけでなく、親戚や友人の家、職場、乳児が落ち着いて過ごしやすい「親戚避難・分散避難」も選択肢です。災害時には一つの場所に人が集中しやすいため、乳児のストレスや感染症のリスクを下げる意味でも、複数の避難先候補を持っておくと安心です。

3.2.1 抱っこ紐やベビーカーの活用

乳児と避難する際には、移動手段として「抱っこ紐」と「ベビーカー」をどう使い分けるかが重要です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、状況に応じて選択しましょう。

一般的に、地震直後の瓦礫や段差が多い状況や、階段・坂道が多いルートでは、ベビーカーは転倒の危険が高くなります。そのため、初動の避難では抱っこ紐を優先し、両手を自由にして歩ける状態を作ることが推奨されます。

  • 抱っこ紐を使うときのポイント
    • 日頃から装着に慣れておき、災害時にも素早く安全に装着できるようにしておく
    • 前向き抱っこよりも、ママ・パパの胸に密着する対面抱きやおんぶにして、揺れや転倒時の衝撃を和らげる
    • 非常持ち出し袋や防災リュックは背中側に背負い、乳児の顔周りをふさがないようにする
    • 長時間の避難では、肩や腰への負担が大きくなるため、途中で交代できる大人を確保しておく
  • ベビーカーを使うときの注意点
    • 揺れが収まり、道路状況や周囲の安全が確認できてから使用を検討する
    • エレベーターが止まっている可能性を考え、階段しか使えないルートではベビーカー利用を避ける
    • 混雑した避難経路では、他の避難者の妨げになりやすく、転倒・転落のリスクが高まる
    • 避難所に到着した後、乳児の簡易ベッドとして活用することもできるが、ロックをかけて転倒防止を徹底する

どちらを使う場合でも、乳児の顔色や呼吸、体温の変化に気を配り、こまめに授乳や水分補給、体勢の調整を行うことが大切です。

3.2.2 避難経路の確認と危険箇所

実際に避難を始めたら、事前に確認しておいた避難経路を基本としながらも、そのときの状況に応じて「通れない道」「危険な場所」を瞬時に判断することが必要です。国土地理院のハザードマップポータルサイトや自治体が配布する防災マップで、自宅周辺の危険箇所は必ず確認しておきましょう。

避難中に特に避けたい場所・行動の例は次の通りです。

  • ブロック塀や老朽化した塀のそばを歩くこと(地震で倒壊しやすい)
  • 大型ガラス窓や看板の真下を通ること(落下物による頭部のケガの危険)
  • 川沿いや用水路の脇など低い場所(豪雨時は増水・氾濫のリスク)
  • 崖下や急傾斜地の直下(がけ崩れ・土石流が発生しやすい)
  • 冠水した道路やマンホール付近(見えない段差やマンホール蓋の浮き上がりによる転落)

乳児を抱えていると視界が狭くなり、足元がおろそかになりがちです。周囲の大人同士で声をかけ合い、「段差」「水たまり」「割れたガラス」などの情報を共有しながらゆっくり歩く姿勢が、安全な避難につながります。

3.3 避難所での乳児ケアのポイント

避難所に到着したら、まずは受付で避難者名簿に登録し、乳児がいることをスタッフに伝えます。多くの避難所では、乳幼児や妊産婦、高齢者などの「要配慮者」向けに、できるだけ静かで過ごしやすい場所を配慮してもらえる場合があります。

避難所生活の中で乳児を守るためには、授乳やミルクの確保、おむつ交換の衛生管理、離乳食とアレルギーへの配慮、体調管理と感染症対策の4つを意識しておくと整理しやすくなります。

3.3.1 授乳やミルクの提供

避難所では、いつも通りの授乳リズムを維持することが難しくなることがありますが、乳児の水分・栄養を絶やさないことが最優先です。母乳育児・ミルク育児それぞれのポイントを押さえておきましょう。

  • 母乳で育てている場合
    • ストレスや疲れで母乳量が一時的に減ることがありますが、「出なくなった」とあわてて授乳回数を減らさず、赤ちゃんが欲しがるだけ吸わせることが大切です。
    • 水分補給と十分な休息を意識し、授乳スペースが確保できる場合は、スタッフに相談して静かな場所を利用させてもらいましょう。
    • 周囲の目が気になるときは、授乳ケープやバスタオルなどで目隠しをすると、ママも赤ちゃんも落ち着きやすくなります。
  • ミルクで育てている場合
    • 避難直後は、粉ミルクよりも調乳不要の液体ミルクの方が扱いやすく、衛生的です。可能であれば、日頃から使い慣れておくと安心です。
    • 粉ミルクを使う場合は、清潔な水と加熱が必要になるため、避難所のスタッフにお湯の提供方法や哺乳瓶の消毒方法を相談しましょう。
    • 哺乳瓶が足りないときは、紙コップや専用の使い捨て哺乳容器を利用し、他の乳児と哺乳瓶や乳首を共有しないことが重要です。

ミルク作りや授乳方法について不安がある場合は、避難所に配置される保健師や助産師、小児科医に相談するほか、厚生労働省の公式サイトなどで最新の情報を確認しておくと安心です。

3.3.2 おむつ交換と手洗い

多くの人が集まる避難所では、おむつ交換時の衛生管理が、乳児本人だけでなく周囲の感染症予防にも直結します。水やスペースが限られる中でも、できる範囲で清潔を保つ工夫が必要です。

状況別の手洗い・おむつ交換のポイントを、次の表に整理します。

水の状況 手指の衛生対策 おむつ処理のポイント
水が十分に使える場合
  • おむつ交換の前後に、石けんを使って30秒以上手洗いする
  • 乳児の手足も、汚れが気になるときはこまめに洗う
  • 使用済みおむつはビニール袋に入れ、しっかり口を閉じてから指定のゴミ置き場へ
  • におい対策として、新聞紙やおむつ専用の防臭袋を活用する
水が不足している場合
  • アルコール消毒液や除菌ウェットティッシュで手指を丁寧に拭き取る
  • 明らかに汚れがある場合は、濡れタオルで拭いた後に消毒する
  • できるだけ二重のビニール袋に入れ、空気を抜いてからしっかりと結ぶ
  • おむつ専用の保管場所を決め、生活スペースから離して置く

おむつ交換の際は、レジャーシートやバスタオルなどを敷いて、乳児の身体を冷やさないようにすることも大切です。交換スペースが混み合う場合は、時間帯をずらすなど、周囲との譲り合いも意識しましょう。

3.3.3 離乳食とアレルギー対応

離乳食期の乳児がいる場合、避難所で配られる非常食や炊き出しが、そのままでは食べられないことがあります。特に食物アレルギーを持つ乳児の場合、原材料表示の確認や、スタッフへの情報共有を徹底することが重要です。

  • 月齢に合ったレトルトベビーフードやベビースナックを持参している場合は、なるべく普段と同じタイミングで提供する
  • 初めて食べる食品は、避難所など医療機関にすぐにかかりにくい環境では、できるだけ与えないようにする
  • アレルギーがある場合は、「卵・乳・小麦・大豆・そば・落花生」など主要なアレルギー源の有無を確認してから食べさせる
  • 離乳食を温められない場合でも、常温で食べられるメニュー(おかゆ、やわらかい野菜など)を選ぶ

また、避難所のスタッフや周囲の人に、乳児のアレルギー情報を一目で伝えられるカードやメモを用意しておくと、支援物資を受け取る際にもスムーズです。母子健康手帳にもアレルギーの有無や既往歴を記録しておき、必要に応じて提示できるようにしておきましょう。

3.3.4 乳児の体調管理と健康観察

避難所生活では、気温や湿度の変化、騒音、ストレスなどにより、乳児の体調が変化しやすくなります。「いつもと様子が違う」と感じたら、早めに異変に気づいて対応することが、重症化を防ぐポイントです。

  • 毎日チェックしたいポイント
    • 体温:発熱がないか、いつもより低体温になっていないか
    • 呼吸:ゼーゼーしていないか、呼吸が浅く速くなっていないか
    • 機嫌:ぐったりしていないか、泣き方が弱くなっていないか
    • 食欲:授乳量やミルクの飲みが急に減っていないか
    • 排泄:おしっこの回数が極端に少なくなっていないか、便の色や状態に異常がないか
  • 脱水症状のサインに注意
    • 口や唇がカサカサに乾いている
    • おしっこの回数や量が少ない、尿の色が濃い
    • 泣いても涙が出ない、目がくぼんで見える
    • ぐったりして反応が鈍い

気になる症状があれば、速やかに避難所の保健師や医師、看護師に相談し、必要に応じて小児科への受診を検討します。その際、母子健康手帳や普段服用している薬、かかりつけ医の情報があると、診察や処方がスムーズです。

乳児の体調管理と同時に、ママ・パパ自身の心身の健康も非常に大切です。適度に周囲の大人と支え合い、「一人で背負い込まない」ことを意識しながら避難所生活を送ることが、結果的に乳児を守ることにつながります。

4. ステップ3 日常で実践する防災 乳児対策

乳児を守る防災対策は、一度グッズをそろえて終わりではなく、日常生活の中で少しずつ習慣化し、家族全員が同じ行動をとれるようにしておくことが大切です。この章では、毎日の暮らしのなかで無理なく続けられる「防災 乳児対策」の具体的な実践方法を解説します。

4.1 家族会議で防災計画を共有

乳児がいる家庭では、災害時にママがひとりですべてを背負い込みがちです。そうならないように、日頃から家族全員で「防災会議」を行い、乳児を最優先にした役割分担や避難行動を具体的に話し合っておくことが重要です。

家族会議では、地震・火災・台風・豪雨など、起こりうる災害ごとに「誰が乳児を抱っこするか」「誰が非常持ち出し袋を持つか」「どのルートで避難するか」を決めておきます。また、在宅時だけでなく、保育園や職場、祖父母の家など、家族が離れた場所にいるときの安否確認方法も具体的に決めておきましょう。

以下のような表を使って、家族会議の内容を書き出しておくと、いざというときに迷いにくくなります。

場面・状況 家族の役割分担 決めておくポイント
自宅で地震が発生したとき ・ママ:乳児を抱いて安全な場所へ移動
・パパ:ガスの元栓・ブレーカーの確認
・きょうだい:玄関や出口の確保
・乳児を連れて「まずどの部屋に避難するか」
・揺れが収まったあと「どの順番で屋外へ出るか」
夜間・就寝中の地震 ・ママ:ベビーベッドや布団から乳児を抱き上げる
・パパ:懐中電灯の確保と家族の点呼
・寝室に懐中電灯を常備しておく場所
・停電時に避難する際の動線を事前に確認
ママが外出中でパパが在宅 ・パパ:ひとりで乳児を連れて避難
・ママ:安否確認後、合流場所へ向かう
・「連絡が取れないときに必ず集合する場所」を1~2か所決めておく
・連絡手段が途絶えた場合の行動を共有しておく
家族が別々の場所にいる平日昼間 ・保育園:園の避難計画に従い乳児を避難
・ママ・パパ:職場からの帰宅ルートを確認し、迎えに行く順番を決める
・「保育園がどこへ避難するのか」を事前に確認
・ママとパパどちらが先に迎えに行くかを決めておく

家族会議は一度だけでなく、生活環境が変わるタイミング(引っ越し、きょうだいの誕生、保育園の入園、転職など)で見直すことが大切です。月に1回程度、短時間でも「防災の振り返り」を行い、乳児の成長や家族の状況に合わせて計画をアップデートする習慣をつけましょう。

4.2 地域の避難所と支援体制を知る

乳児連れで災害を乗り切るためには、自宅だけでなく、地域にどのような避難所や支援窓口があるのかを日頃から把握しておくことが欠かせません。自治体が公開しているハザードマップや指定避難所の情報を確認し、「乳児を連れて無理なく歩ける距離か」「段差や坂道が多くないか」などを実際に歩いてチェックしておきましょう。

内閣府の防災情報のページ(内閣府)を参考にしながら、お住まいの自治体の防災情報ページや地域の防災マップもあわせて確認しておくと、災害ごとのリスクを把握しやすくなります。

特に乳児がいる家庭では、次のようなポイントを意識して地域の支援体制を調べておきましょう。

  • 最寄りの指定避難所と、その避難所までの安全なルート
  • 乳幼児や妊産婦など配慮が必要な人向けの「福祉避難所」の有無と利用方法
  • 授乳スペースの有無や、ミルク用のお湯・おむつ替えスペースの確保状況
  • 自治体や社会福祉協議会による子育て家庭への支援(物資配布・相談窓口など)
  • 近隣の小児科、薬局、夜間・休日診療所の場所と連絡先

以下のような一覧表を作っておくと、いざというときに慌てずに行動しやすくなります。

確認しておきたい場所・窓口 主な内容 日常での準備・チェックポイント
指定避難所 地域で災害時に開設される小中学校、公民館など ・徒歩ルートを乳児連れで歩いて所要時間を確認
・雨天や夜間も想定してルートを複数パターン考える
福祉避難所 特に配慮が必要な人向けの二次的な避難所 ・自治体のホームページや窓口で場所と利用条件を確認
・母子健康手帳や医療情報を持参する必要がないか事前に確認
子育て支援センター 平常時は遊び・相談の場、非常時には情報共有の拠点になることも ・職員に、災害時の対応や連絡方法を聞いておく
・防災講座や乳幼児向けの避難訓練が開催されていれば積極的に参加
小児科・薬局 乳児の急な体調不良に対応する医療機関 ・診療時間・休診日・夜間対応の有無をメモ
・かかりつけ医と相談し、災害時の受診の目安を聞いておく
自治体の防災担当窓口 地域のハザードマップ・避難情報・警戒レベルなどを発信 ・防災メールやアプリに登録
・乳児家庭向けの支援制度や配布物がないか確認

また、気象庁が発表する「警報・注意報」「土砂災害警戒情報」などを日頃からチェックする習慣も大切です。気象庁の気象情報ページ(気象庁)をブックマークし、台風や大雨のシーズンにはこまめに確認しておくと、早めの避難判断につながります。

4.3 防災訓練で実践力を高める

防災グッズや避難計画を整えていても、実際に身体を動かしてみないと「乳児を抱えて本当に動けるか」「どのくらい時間がかかるか」はわからないものです。日常の中で、家族や地域と一緒に防災訓練に参加し、乳児連れでの行動をシミュレーションしておきましょう。

自治体や小学校、保育園などが実施する防災訓練には、可能な範囲で乳児も一緒に参加することをおすすめします。避難指示・警報の放送を実際に聞いたり、避難所まで歩いてみたりすることで、災害時のイメージが具体的になり、緊張しすぎずに動けるようになります。

家庭内でも、次のような「ミニ訓練」を定期的に行うと効果的です。

  • 抱っこ紐を装着して、暗い中でも安全に階段の昇り降りができるかを確認する
  • 停電を想定し、懐中電灯やランタンの位置と使い方を家族で確認する
  • 夜間に乳児を起こさずに毛布ごと抱き上げて移動する練習をする
  • ベビーカーを使用する場合、段差や坂道が多いルートを避けられるか実際に押してみる
  • 保育園に通っている場合、園の避難訓練の内容を先生から聞き、家庭での行動とすり合わせる

年間のスケジュールに防災訓練を組み込んでおくと、無理なく継続しやすくなります。

時期の目安 実施したい訓練・見直し内容 ポイント
4~5月 新年度の生活リズムに合わせた避難ルート・連絡方法の見直し 保育園・幼稚園・職場の所在地と、災害時の対応方針を確認する
7~9月(台風・豪雨シーズン) 水害・土砂災害を想定した早期避難のシミュレーション 河川や崖など危険箇所を避けたルートを、乳児連れで歩いて確認する
9月(防災の日の前後) 地域の総合防災訓練への参加 実際に避難所へ行き、入口・授乳可能なスペース・トイレの位置を確認する
12~1月(冬の寒さ対策) 停電や暖房停止を想定した防寒対策の確認と訓練 毛布やカイロの使い方、重ね着での体温調節を家族で確認する
随時 自宅周辺の危険物(家具、ガラス)の点検と固定 乳児がハイハイやつかまり立ちを始めたタイミングで特に念入りに確認する

訓練のあとは、「抱っこ紐が緩んでいなかったか」「荷物が重すぎなかったか」「乳児が不安がらなかったか」などを家族で振り返り、次回までに改善できる点を話し合う時間を必ずとりましょう。この積み重ねが、実際の災害時の落ち着いた行動につながります。

4.4 母子手帳と医療情報の携帯

乳児の健康状態や予防接種歴、アレルギーなどの情報は、災害時の診察や薬の処方に直結します。そのため、母子健康手帳や医療情報は、非常持ち出し品の中でも「最優先で持ち出すべきもの」として日常から整理しておくことが重要です。

まず、次のような書類・情報を一か所にまとめ、「防災ポーチ」として常に決まった場所に置く、または外出時にはバッグに入れておく習慣をつけましょう。

  • 母子健康手帳(乳児の成長記録・予防接種歴・妊娠中の経過も含む)
  • 健康保険証(乳児と保護者分)
  • 乳児医療証(自治体が交付する医療費助成の証書)
  • お薬手帳(処方薬がある場合)
  • 乳児のアレルギー情報・持病・服用中の薬をまとめたメモ
  • かかりつけ小児科・産婦人科・薬局の名称、住所、電話番号
  • 両親・祖父母・保護者以外の緊急連絡先(勤務先、保育園、近所で頼れる人)

これらの情報は、コピーをとって別の場所に保管したり、スマートフォンで写真を撮ってクラウドサービスに保存したりするなど、「原本」「紙のコピー」「デジタルデータ」の3つのレイヤーで分散管理しておくと、紛失や破損のリスクを減らせます。ただし、オンラインで保存する場合は、パスワード設定や共有範囲の確認など、個人情報の取り扱いに十分注意しましょう。

また、厚生労働省などが発信している母子保健や予防接種に関する情報も、平常時から確認しておくと安心です。必要に応じて、厚生労働省の公式サイト(厚生労働省)を参照し、最新の情報をチェックしておきましょう。

乳児の月齢や体調は日々変化します。新しい薬が処方されたとき、アレルギーが判明したとき、予防接種を受けたときには、その都度メモを更新する習慣をつけることで、災害時にも正確な情報を医療者に伝えやすくなります。日常のちょっとした「更新」を積み重ねることが、乳児の命と健康を守ることにつながります。

5. 乳児とママの安心を守るために

災害が起きたとき、乳児と一緒に行動するママにとって必要なのは、物資の備えだけではありません。「正確な情報に基づいて落ち着いて判断する力」と「ママと乳児の心の健康を守る工夫」こそが、長引く避難生活や不安定な状況を乗り切る土台になります。この章では、情報との向き合い方とメンタルケアのポイントを整理し、最後にこれまでの防災対策を総合的に見直す視点も含めて解説します。

5.1 災害時の情報収集と判断

地震や台風などの災害時には、テレビ、ラジオ、インターネット、SNS、地域の防災無線など、さまざまな情報が一度に入ってきます。情報が多すぎるがゆえに不安が増し、判断が遅れてしまうこともあるため、「誰の、どの情報を優先するか」を平常時から決めておくことが重要です。乳児を抱えている場合は、避難のタイミングや行き先を迷わず決められるよう、事前の準備が安心につながります。

5.1.1 信頼できる情報源をおさえる

災害時には、まず公的機関や公共メディアといった信頼性の高い情報源を優先して確認することが大切です。具体的には、気象情報や警報は気象庁、避難情報や防災全般は内閣府 防災情報のページ、心のケアや子どもの健康情報は厚生労働省「こころの健康」などの公的な情報を参考にすると安心です。また、自治体の公式サイトや防災メール、地域FM、ケーブルテレビも、身近な地域情報を得るのに役立ちます。

日頃から次のような情報源に触れておき、「どこを見れば何が分かるのか」を家族で共有しておくと、災害時の混乱を減らせます。

情報源 主な内容 メリット 注意点
テレビ・ラジオ 広域の被害状況、気象情報、避難情報、交通情報など 速報性が高く、専門家の解説で状況を把握しやすい 停電時やアンテナの損傷時には視聴・聴取が難しくなる
スマートフォンの防災アプリ 緊急地震速報、避難情報、雨雲レーダー、ハザードマップなど 手元で必要な情報をすぐに確認でき、プッシュ通知で見落としを防げる バッテリー切れや通信障害に備え、モバイルバッテリーや予備手段が必要
自治体の防災メール・防災無線 地域の避難所開設情報、避難指示・避難勧告、給水情報など 住んでいる地域に特化した具体的な情報が得られる 登録していないとメールが届かない、防災無線は屋内だと聞こえにくい場合がある
SNS 現地の写真、被害状況、支援情報など 知人や地域の人の声をリアルタイムで知ることができる デマや誤情報が混ざりやすく、公式情報での裏取りが必須

5.1.2 デマや不確かな情報に惑わされないコツ

災害時には、「○○が爆発した」「××地区は全員避難」など、真偽不明の情報がSNSや口コミで一気に広がることがあります。乳児を連れて動くママにとっては、誤った情報に振り回されることが、そのまま危険な行動や過度な不安につながる可能性が高いため、次の点を意識して情報を取捨選択しましょう。

まず、「誰が発信しているか」に着目し、自治体や公的機関、公共メディアなどの公式アカウント以外の情報は、そのまま信じない習慣をつけます。SNSで見かけた情報は、必ず自治体のホームページやテレビ・ラジオのニュースで裏付けを取るようにします。また、「拡散希望」と書かれた投稿は、一見善意に見えても誤情報であることが少なくないため、内容が公式情報と一致しているかを必ず確認し、真偽が分からない情報は「シェアしない・信じすぎない」ことを家族のルールにしておくと安心です。

5.1.3 家族で決めておく「行動の基準」

災害そのものよりも、「避難するかどうか迷っている時間」が危険になることがあります。特に乳児がいる家庭では、移動に時間がかかる分、早め早めの判断が命を守るポイントです。迷いを減らすために、平常時から次のような基準や役割分担を話し合っておきましょう。

例えば、「警戒レベル4の避難指示が出たら、夜でも必ず避難所へ向かう」「大雨特別警報が出たら、川や崖から離れた親戚・知人宅に一時避難する」「保育園や幼稚園に兄姉がいる場合は、誰が迎えに行き、誰が乳児の世話をするか」など、具体的な行動を言葉にしておきます。こうして決めた内容は紙に書き出し、冷蔵庫や玄関の内側など家族全員が見やすい場所に貼っておくと、緊急時にすぐ確認できます。また、連絡手段が途絶えた場合の集合場所も、近くの公園や小学校など、乳児を連れても安全に集まりやすい場所を選んでおくことが大切です。

5.1.4 スマホが使えないときの備え

停電や通信障害が発生すると、スマートフォンやインターネットに頼った情報収集が難しくなります。乳児がいると、授乳やおむつ替えで手がふさがりやすく、何度も充電場所を探しに行くのも大きな負担です。そのため、「スマホが使えない前提」で情報手段を複数用意しておくことが重要です。

具体的には、乾電池式や手回し充電式の携帯ラジオを備えておくと、停電時でもニュースや避難情報を確認できます。また、家族や親戚の連絡先、かかりつけの小児科・産婦人科・自治体の窓口の電話番号などを紙に書いておき、母子手帳ケースなどに入れて持ち歩くと、スマホの連絡帳が見られない場合でも安心です。加えて、モバイルバッテリーや乾電池式充電器を複数個備え、避難の際には忘れずに非常持ち出し袋に入れるようにします。災害用伝言ダイヤル(171)や各携帯電話会社の災害用伝言板サービスなども、平常時に使い方を確認しておくと、家族間の安否確認がスムーズになります。

5.2 心の健康を保つ工夫

過酷な状況が続くと、ママの心身の疲れは想像以上に大きくなります。そして、ママの不安や緊張は、言葉をまだ話さない乳児にも表情や雰囲気を通じて伝わりやすく、睡眠リズムの乱れや夜泣きの増加としてあらわれることがあります。完全に不安をゼロにすることは難しくても、「少しでも心を軽くする工夫」を知っておくことで、非常時の負担を和らげることができます。

5.2.1 ママの不安と上手につき合う

災害時に不安や怖さを感じるのは、ごく自然な反応です。「ママだからしっかりしなければ」と自分を追い込みすぎず、不安を感じている自分を認めることが、心を守る第一歩になります。泣きたくなったときには、安心できる場所で涙を流すことも、心の負担を軽くする大切な行為です。

避難所や親戚の家などで過ごす場合は、信頼できる家族や友人、近くにいるママ同士と気持ちを言葉にして共有することで、「一人で抱え込んでいる」という感覚が薄れます。また、情報を追い続けていると不安が強まりやすいので、1日のうち「ニュースを見る時間」と「ニュースを見ない時間」をあらかじめ決めておき、深夜にスマホで延々と情報を見続けないよう意識すると、心と体を休めることにつながります。

5.2.2 乳児の安心感を支えるケア

乳児にとって一番の「安心」は、ママや家族の温もりと日常のちょっとした繰り返しです。環境が大きく変わっても、できる限りいつものスキンシップや声かけを続けることが、赤ちゃんの心を落ち着かせる助けになります。授乳やミルクの時間には、いつもよりゆっくりと抱きしめ、優しく声をかけながら飲ませてあげましょう。

お気に入りのタオルや毛布、ぬいぐるみ、音の鳴らない小さなおもちゃなど、赤ちゃんが日頃から慣れ親しんでいるものを非常持ち出し袋に入れておけば、避難所でも「いつもの匂い・手触り」が安心材料になります。また、泣きやまないときには、抱っこ紐で体を密着させて歩いたり、子守歌を口ずさんだりするなど、ママが普段行っているあやし方を意識的に取り入れましょう。

5.2.3 避難生活でも生活リズムを意識する

避難所生活では、照明の明るさや周囲の物音、人の出入りなどにより、昼夜の感覚が乱れがちです。しかし、授乳・睡眠・遊びといった大まかな生活リズムを保つことが、乳児の体調と情緒の安定に大きく影響します。完璧にいつも通りにする必要はありませんが、「だいたいこの時間帯にこれをする」という目安を作っておくと、ママ自身の生活リズムも整えやすくなります。

以下のような点を意識すると、限られた環境でもリズムを保ちやすくなります。

場面 意識したいポイント 無理なくできる工夫
授乳・ミルク いつもと極端に間隔が空きすぎないようにする 大まかな授乳時間をメモに書き、避難所でも目につく場所に貼っておく
睡眠 明るさや騒音で寝つきが悪くなりやすい バスタオルや授乳ケープで光を遮る、寝る前の声かけや歌を毎回同じにする
清潔・着替え 汗や汚れをそのままにしないことで、肌トラブルと不快感を減らす おしりふきや濡れタオルで体を拭き、汗をかいた服はこまめに着替えさせる
あそび・ふれあい 短い時間でもスキンシップを確保し、安心感を育む 膝の上でわらべ歌を歌う、手遊びをするなど、道具を使わない遊びを取り入れる

5.2.4 周囲の支援や専門機関を頼る

「自分一人で頑張らなければ」と抱え込む必要はありません。避難所では、同じように乳児を抱えるママや子育て経験のある人と声を掛け合うことで、情報だけでなく気持ちの面でも支え合うことができます。おむつ替えのスペースや授乳場所について相談したり、交代で見守りをすることで、ママが短時間でも休息をとれるよう工夫してみましょう。

また、心身の不調が続くときや、「イライラして赤ちゃんにきつく当たってしまいそう」「泣き声を聞くのがつらい」と感じるときは、できるだけ早く専門機関や医療機関に相談することが大切です。保健センター、自治体の子育て支援窓口、かかりつけの小児科・産婦人科などでは、子育て中のママの心身の相談を受け付けている場合があります。電話やオンライン相談を利用できるケースもあるため、平常時から連絡先を母子手帳と一緒に控えておきましょう。

災害はいつ起こるか分かりませんが、これまでに準備してきた非常持ち出し袋や自宅の備蓄、避難行動のシミュレーションに、「情報との付き合い方」と「心のケア」という視点を加えることで、乳児とママにとって、より実践的で優しい防災対策になります。日常の中で少しずつ見直しを重ね、「いざというときも、家族で力を合わせて乗り越えられる」自信を育てていきましょう。

6. まとめ

乳児との防災では、「揺れてから考える」のではなく、「日ごろから備える」ことが何よりも大切です。大人と違って自分で身を守れない乳児は、ミルクやおむつ、抱っこなど、常に大人の手助けが必要です。だからこそ、防災と乳児ケアを切り離さずに考え、「防災 乳児」の視点で家庭の備えと行動計画を整えておくことが、赤ちゃんと家族の命を守る結論といえます。

ステップ1では、乳児向け非常持ち出し袋と自宅の備蓄が基本となります。ミルクや哺乳瓶、おむつ、おしりふき、着替え、体温調節グッズ、常備薬や衛生用品、安心できるおもちゃや絵本などを、乳児の月齢や体調に合わせて準備し、定期的に中身を見直すことが重要です。自宅でも、水やベビーフード、明かり、暖房、簡易トイレやゴミ袋などをそろえ、「自宅避難」になっても数日過ごせる環境を作っておきましょう。

ステップ2では、災害発生時にどう動くかを具体的に決めておくことがポイントです。揺れを感じたときの初動、家の中で安全な場所の確認、抱っこ紐やベビーカーをどう使うか、どのルートで避難するか、といったことを事前に家族で共有し、危険箇所を把握しておきます。避難所では、授乳やミルクの準備、おむつ交換と手洗いの工夫、離乳食やアレルギーへの配慮、体温や機嫌・食欲などの健康観察をこまめに行うことが、乳児を守るうえでの結論的なポイントです。

ステップ3では、日常生活の中で「防災 乳児」を習慣化していくことが大切です。家族会議で防災計画を共有し、地域の避難所や支援体制を確認しておくことで、いざという時の不安を減らせます。また、自治体や保育園・幼稚園の防災訓練に積極的に参加し、抱っこ紐での避難や荷物の持ち方を実際に試しておくと、行動力がぐっと高まります。母子手帳や医療情報をすぐ持ち出せる場所に保管し、外出時もできるだけ携帯しておきましょう。

情報収集では、テレビやラジオ、自治体の防災情報など、信頼できる情報源を意識して確認し、「何が危険で、何を優先すべきか」を落ち着いて判断することが重要です。そして、ママやパパ自身の心の健康も、乳児の安心につながります。完璧を目指すのではなく、「できることから一つずつ始める」ことが、防災対策を続けるための現実的な結論です。非常持ち出し袋の中身を見直す、チェックリストを作る、避難経路を一度歩いてみるなど、今日から小さな一歩を踏み出して、乳児とママの安心を守る備えを進めていきましょう。

     

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