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災害から家族と電子ピアノを守る!転倒防止ベルトで安心対策を徹底解説

いつ起こるか予測できない地震。もしもの時、あなたの電子ピアノが転倒し、家族の安全を脅かしたり、高価な楽器が破損したりするリスクに不安を感じていませんか? この記事では、地震などの災害から大切な家族と電子ピアノを守るために、なぜ転倒防止対策が不可欠なのかを明確にし、その具体的な解決策として「転倒防止ベルト」に焦点を当てます。この記事を読むことで、電子ピアノの転倒防止ベルトの種類と選び方、正しい取り付け方、賃貸住宅での注意点、そしてベルトと合わせて行いたい災害対策まで、家族と電子ピアノを守るための実践的な知識と具体的な方法が網羅的に分かります。確かな知識と準備で、もしもの時にも慌てず、家族と電子ピアノを守るための万全の備えを整え、安心できる暮らしを手に入れましょう。

目次

1. 地震はいつ来るかわからない!電子ピアノの転倒リスクと対策の重要性

日本は地震多発国であり、いつどこで大規模な地震が発生してもおかしくない状況にあります。内閣府の防災情報のページでも、地震への備えの重要性が繰り返し強調されています。自宅に設置されている電子ピアノは、その重量と高さから、地震発生時に大きな危険となり得ることをご存じでしょうか。単なる家具と捉えがちですが、電子ピアノは数十キログラムから100キログラムを超えるものもあり、その精密な構造ゆえに、転倒による被害は甚大になる可能性があります。

この章では、電子ピアノの転倒がもたらす具体的なリスクと、なぜ今すぐにでも転倒防止対策を講じる必要があるのかについて、詳しく解説していきます。

1.1 なぜ電子ピアノの転倒防止対策が必要なのか

電子ピアノは、アコースティックピアノに比べて軽量であるものの、一般的な家具と比較すると非常に重く、重心が高い製品も少なくありません。特にキャスター付きのモデルは、わずかな揺れでも動き出しやすく、地震の激しい揺れの中では容易に転倒する危険性があります。転倒防止対策を怠ることは、取り返しのつかない被害につながる可能性があるのです。

電子ピアノの転倒が引き起こす主なリスクは以下の通りです。

リスクの種類 具体的な被害
人身被害 転倒した電子ピアノが人に直撃し、重傷を負わせる可能性。特に子供や高齢者は危険に晒されやすく、命に関わる事態も想定されます。また、転倒した電子ピアノが避難経路を塞ぎ、迅速な避難を妨げるリスクもあります。
電子ピアノ本体の損壊 落下や転倒による本体の外装破損、内部基盤の損傷は避けられません。高額な修理費用が発生するだけでなく、修理不能となり、買い替えを余儀なくされるケースも少なくありません。大切な楽器が使えなくなる精神的・経済的損失は計り知れません。
二次被害 電子ピアノの転倒時に、周囲の壁や床、他の家具に大きな傷や破損を与える可能性があります。賃貸住宅の場合、原状回復費用が発生することもあり、集合住宅では、階下への影響も懸念されるなど、損害が広範囲に及ぶことも考えられます。

これらのリスクを未然に防ぐためにも、電子ピアノの転倒防止対策は、災害への備えとして非常に重要な位置を占めます。

1.2 家族の安全と大切な電子ピアノを守るために

地震対策において、最も優先すべきは家族の命と安全です。電子ピアノの転倒防止対策は、この大前提を守るための重要な一歩となります。もしもの時に、電子ピアノが凶器とならないよう、そして避難の妨げとならないよう、事前にしっかりと対策を講じることが不可欠です。

また、電子ピアノは高価な楽器であると同時に、趣味や学習、あるいは家族との思い出が詰まった大切な財産でもあります。それが地震によって一瞬にして損なわれてしまうことは、経済的な損失だけでなく、精神的なダメージも大きいでしょう。転倒防止ベルトなどの対策は、比較的安価で導入できるにもかかわらず、これらの大きなリスクから家族と大切な電子ピアノを守るための、非常に効果的な手段となります。

「まさか自分の家に」という油断は禁物です。いつ起こるかわからない災害に備え、今できる最善の対策を講じることが、安心で安全な生活を維持するために何よりも重要です。

2. 電子ピアノの転倒防止ベルトの種類と選び方

大切な電子ピアノを地震の揺れから守るためには、適切な転倒防止ベルトを選ぶことが極めて重要です。市場には様々な種類のベルトが存在し、それぞれ特徴が異なります。ここでは、主要なベルトの種類とその特徴、そしてご自身の状況に合わせた最適な選び方のポイントを詳しく解説します。

2.1 主な転倒防止ベルトの種類と特徴

電子ピアノの転倒防止ベルトは、その固定方法によって大きくいくつかのタイプに分けられます。それぞれの特徴を理解し、ご家庭の環境に合ったものを選びましょう。

2.1.1 粘着タイプとネジ固定タイプ

転倒防止ベルトの固定方法には、主に「粘着タイプ」と「ネジ固定タイプ」があります。それぞれの特徴を以下の表で比較します。

項目 粘着タイプ ネジ固定タイプ
固定方法 強力な粘着シートで壁や家具に貼り付け ネジやボルトで壁に直接固定
メリット 壁に穴を開けずに済むため、賃貸住宅でも利用しやすい。取り付けが比較的簡単で手軽。 非常に高い固定強度。一度設置すれば長期的な安心感がある。
デメリット 粘着力が壁の材質や経年劣化で低下する可能性。壁紙を傷めるリスク。重い電子ピアノには不向きな場合も。 壁に穴を開ける必要があるため、賃貸住宅では制限がある。一度設置すると移動が難しい。
適した環境 賃貸住宅、比較的軽量な電子ピアノ、壁に穴を開けたくない場合 持ち家、大型で重量のある電子ピアノ、最大限の固定強度を求める場合

どちらのタイプも一長一短があるため、ご自身の住環境や電子ピアノの重さ、壁の材質などを総合的に考慮して選ぶことが重要です。安全性と利便性のバランスを見極めましょう。

2.1.2 長さや耐荷重の確認ポイント

ベルトの固定方法だけでなく、その「長さ」と「耐荷重」も転倒防止ベルトを選ぶ上で非常に重要な選択基準となります。

長さ: 電子ピアノの高さと壁との距離に合わせて、適切な長さのベルトを選びましょう。短すぎると電子ピアノと壁を繋ぐことができず、長すぎるとベルトにたるみが生じて十分な固定力が得られない可能性があります。一般的に、電子ピアノの背面から壁までの距離に余裕を持たせた長さの製品を選ぶと、取り付けやすく安定した固定が期待できます。

耐荷重: 電子ピアノの重量に耐えられるだけの強度があるかを確認してください。一般的な電子ピアノは30kgから80kg程度の重量があります。製品のパッケージや説明書に記載されている耐荷重を必ず確認し、電子ピアノの重量を上回る耐荷重を持つ製品を選びましょう。複数のベルトを使用する場合は、それらの合計の耐荷重も考慮に入れるとより安心です。

2.2 電子ピアノに最適な転倒防止ベルトを選ぶコツ

数多くの製品の中から、ご自身の電子ピアノと住環境に最適な一本を見つけるための具体的なコツをご紹介します。これらのポイントを押さえることで、より効果的で安心できる転倒防止対策が可能になります。

2.2.1 設置場所と壁の材質を考慮する

転倒防止ベルトを選ぶ際、電子ピアノを設置する場所の壁の材質は非常に重要な要素です。壁材によって適した固定方法が異なります。

  • 石膏ボードの壁: 日本の住宅で最も一般的な壁材です。ネジ固定タイプを使用する場合は、石膏ボード用のアンカーを併用することで、高い固定強度を得られます。粘着タイプも利用可能ですが、壁紙の種類によっては剥がす際に傷つけるリスクがあるため注意が必要です。
  • 木材の壁(柱、間柱): ネジがしっかりと効くため、ネジ固定タイプが最も高い固定強度を発揮します。下地センサーなどで柱の位置を確認して取り付けることが推奨されます。
  • コンクリートの壁: 専用のドリルとアンカーを使用すれば、ネジ固定タイプで非常に強固に固定できます。粘着タイプは表面の凹凸や塗装によっては剥がれやすいことがあります。

特に賃貸住宅にお住まいの場合は、壁に穴を開けることが制限されることが多いため、粘着タイプや、壁と電子ピアノの間に挟んで固定する突っ張り棒タイプ(ベルトではないが選択肢として考慮)が有力な選択肢となります。ただし、粘着タイプでも壁紙の損傷リスクがあるため、事前に管理会社に確認するか、目立たない場所で試すことをおすすめします。

2.2.2 デザインと機能性のバランス

安全対策は重要ですが、電子ピアノは多くの場合、リビングや書斎など人目につく場所に置かれ、インテリアの一部でもあります。そのため、デザインと機能性のバランスも考慮して選びましょう。

  • 目立たないデザイン: 電子ピアノの色や部屋の雰囲気に合わせて、目立ちにくい色(白、黒、クリアなど)やスリムなデザインのベルトを選ぶと、インテリアを損なわずに設置できます。機能性を確保しつつ、見た目の美しさも追求しましょう。
  • 調整のしやすさ: 一度取り付けた後でも、ベルトの長さやテンションを簡単に調整できる機能があると便利です。電子ピアノの移動やメンテナンス、部屋のレイアウト変更の際にも役立ちます。
  • 耐久性と素材: 長期間にわたって電子ピアノを支え、地震の衝撃に耐えるためには、耐久性の高い素材でできた製品を選ぶことが不可欠です。高強度ナイロンや金属製のバックルなど、劣化しにくい素材であることも重要な確認ポイントです。

安全性を最優先しつつも、ご自身のライフスタイルやインテリアに調和する転倒防止ベルトを見つけることが、長期的な安心と快適な電子ピアノライフにつながります。

3. 電子ピアノに転倒防止ベルトを正しく取り付ける手順

電子ピアノの転倒防止ベルトは、ただ取り付けるだけでは十分な効果を発揮しません。正しく設置することで初めて、その耐震性能を最大限に引き出し、大切な家族と電子ピアノを災害から守ることができます。 ここでは、準備から取り付け、そしてよくある疑問への対処法まで、詳細な手順を解説します。

3.1 取り付け前の準備と確認事項

3.1.1 設置場所の清掃と壁材の確認

転倒防止ベルトの取り付けを始める前に、まずは設置場所の環境を整えることが重要です。特に粘着タイプのベルトを使用する場合は、壁や電子ピアノ本体の取り付け面が清潔で乾燥していることが、接着強度を保つ上で非常に重要になります。ホコリや油分が残っていると、接着力が低下し、いざという時にベルトが剥がれてしまう可能性があります。アルコールを含んだシートなどで丁寧に拭き取り、完全に乾燥させてから作業に取りかかりましょう。

次に、壁の材質を確認します。壁の材質によって、適切な固定方法や使用する工具が異なります。一般的な住宅の壁材としては、石膏ボード、木材、コンクリートなどがあります。

  • 石膏ボード: 専用のアンカーや石膏ボード用ピンを使用しないと、ネジが効きません。
  • 木材(柱・間柱): ネジがしっかりと効き、最も安定した固定が可能です。下地センサーなどで柱の位置を確認しましょう。
  • コンクリート: 専用のコンクリートドリルビットとプラグが必要です。

壁の裏に柱があるかどうかは、下地センサーを使用すると簡単に確認できます。 柱に固定できるのが最も理想的です。また、電子ピアノ本体が安定して設置されているか、ぐらつきがないかも確認しておきましょう。

3.1.2 必要な工具と資材の準備

転倒防止ベルトの種類によって必要な工具が異なります。取り付け作業をスムーズに進めるためにも、事前にすべての工具と資材を準備しておきましょう。製品に付属している取扱説明書を必ず確認し、推奨されている工具を揃えることが大切です。

ベルトの種類 主な必要な工具・資材 備考
ネジ固定タイプ 電動ドリル、ドライバー(プラス/マイナス)、鉛筆、メジャー、水平器、下地センサー、保護メガネ 壁材に合わせたドリルビット(木工用、コンクリート用など)、必要に応じてアンカーやプラグ
粘着タイプ 清掃用具(アルコールシートなど)、メジャー 製品によっては、付属のヘラなどで圧着を促す場合があります

作業中の安全のため、保護メガネの着用も検討してください。

3.2 ステップバイステップで解説 電子ピアノの転倒防止ベルト設置方法

準備が整ったら、いよいよ転倒防止ベルトの取り付け作業に入ります。以下の手順に従って、確実に取り付けを行いましょう。

3.2.1 ベルトの取り付け位置を決定する

まずは、電子ピアノ本体と壁へのベルトの取り付け位置を決定します。この位置決めが、ベルトの効果を左右する重要なポイントです。

  • 電子ピアノ本体への取り付け位置:
    • 電子ピアノの上部奥側、左右対称になる位置が一般的です。重心が高い位置にある電子ピアノの転倒を防ぐため、できるだけ上部に近い位置を選びましょう。
    • 製品によっては、特定の取り付け箇所が指定されている場合がありますので、取扱説明書を必ず確認してください。
  • 壁への取り付け位置:
    • 電子ピアノ本体に取り付けた位置より、やや低い位置に壁側のアタッチメントを固定します。これにより、ベルトが斜め上方向に引っ張られる形となり、転倒モーメントを効果的に打ち消します。
    • 左右のベルトが壁に対して水平になるように、メジャーと水平器を使って正確に印をつけましょう。
    • ネジ固定タイプの場合は、壁の柱の位置に合わせるのが最も強度が高く推奨されます。下地センサーで確認した柱の位置を優先して固定箇所を決定してください。

電子ピアノと壁の間の距離も重要です。ベルトの長さを調整できる範囲内で、電子ピアノが壁に近すぎず、かつ遠すぎない適切な距離を保ちましょう。通常は数センチ程度の隙間が推奨されます。

3.2.2 壁への固定とベルトの調整

位置が決まったら、いよいよ固定作業です。ベルトの種類によって手順が異なります。

3.2.2.1 粘着タイプの場合
  1. 取り付け面の清掃と乾燥: 前述の通り、壁と電子ピアノの取り付け面をアルコールなどで丁寧に拭き、完全に乾燥させます。
  2. 粘着シートの剥がしと圧着: ベルトの粘着シートを剥がし、位置決めに従って、壁と電子ピアノにそれぞれしっかりと貼り付けます。空気が入らないように、中心から外側へ向かって指や付属のヘラなどで強く圧着し、密着させます。
  3. 放置時間: 製品によっては、接着剤が完全に硬化するまで数時間から24時間程度の放置が必要な場合があります。この間はベルトに負荷をかけないようにしましょう。取扱説明書で指定された時間を厳守してください。
3.2.2.2 ネジ固定タイプの場合
  1. 取り付け位置のマーキング: 鉛筆で壁の取り付け位置に正確に印をつけます。
  2. 下穴の開口: 印をつけた位置に、電動ドリルで下穴を開けます。壁材に合わせたドリルビットを使用し、穴の深さがネジの長さより深くならないように注意してください。石膏ボードの場合は、専用のアンカーを打ち込みます。
  3. ブラケットの固定: 開けた下穴にネジでブラケット(壁側のアタッチメント)をしっかりと固定します。ドライバーでネジを締める際は、締め付けすぎると壁材を傷める可能性があるため、適度な力で固定しましょう。
  4. 電子ピアノ本体へのベルト固定: 電子ピアノ本体にベルトのもう一方を固定します。製品によってネジ止めや、既存のネジ穴を利用するタイプなどがあります。取扱説明書に従って確実に取り付けてください。
  5. ベルトの長さ調整と張り: 壁と電子ピアノにそれぞれ固定されたベルトの長さを調整します。ベルトにたるみがないようにしっかりと張り、しかし電子ピアノが壁に押し付けられるほど過度に締め付けないように調整します。指で軽く揺らしてもぐらつきがなく、ベルトがピンと張っている状態が理想です。

設置が完了したら、電子ピアノを軽く揺らしてみて、ぐらつきがないか、ベルトが緩んでいないかを最終確認しましょう。定期的な点検も忘れずに行うことが大切です。

3.3 取り付け時の注意点とよくある疑問

3.3.1 壁に穴を開けたくない場合の対処法

賃貸住宅にお住まいの方や、壁に傷をつけたくないという方もいらっしゃるでしょう。その場合の対処法としては、主に以下の選択肢が考えられます。

対処法 特徴 注意点
粘着タイプの転倒防止ベルトを利用する 壁に穴を開けずに設置可能。強力な粘着力で固定。 壁材によっては剥がす際に表面を傷める可能性あり。接着面の清掃・乾燥が必須。
突っ張り棒タイプの家具転倒防止器具と併用する 天井と家具の間で突っ張って固定。 電子ピアノ専用の突っ張り棒は少ない。家具の高さや設置場所の制約がある。天井の強度も考慮。
ジェルマットやストッパーを併用する 電子ピアノの底面に敷き、滑り止め効果で転倒・移動を抑制。 単独では転倒防止効果が限定的。あくまで補助的な対策として併用が推奨。

壁に穴を開けないタイプのベルトであっても、製品によっては壁紙や塗装を傷める可能性があります。製品の注意書きをよく読み、目立たない場所で試すなど慎重に検討しましょう。

3.3.2 賃貸住宅での転倒防止ベルト利用

賃貸住宅で転倒防止ベルトを使用する際は、原状回復義務との兼ね合いが重要になります。壁に穴を開けるネジ固定タイプはもちろん、粘着タイプであっても壁紙を剥がしてしまったり、跡が残ったりする可能性があります。

最も確実なのは、事前に管理会社や大家さんに相談し、許可を得ることです。 その上で、以下の点を考慮して製品を選びましょう。

  • 粘着タイプの選定: 「きれいに剥がせる」「跡が残りにくい」と謳われている製品を選ぶ。ただし、完全に保証されるわけではないため注意が必要です。
  • 画鋲・ピンで固定できるタイプ: 石膏ボードの壁であれば、細いピンで固定するタイプのフックなどを利用して、ベルトを固定する方法も考えられます。ただし、電子ピアノの転倒防止に十分な耐荷重があるか確認が必要です。

万が一の災害時に電子ピアノが転倒して家屋に損害を与えた場合、その責任を問われる可能性もあります。安全対策と原状回復のバランスをよく考え、慎重に選択しましょう。

4. 転倒防止ベルトと合わせて行いたい災害対策

電子ピアノの転倒防止ベルトによる対策は、災害への備えの第一歩に過ぎません。家族と財産を地震などの災害から守るためには、家全体を見渡し、多角的な対策を講じることが不可欠です。ここでは、転倒防止ベルトと合わせて実践すべき、より包括的な災害対策について詳しく解説します。

4.1 電子ピアノ以外の家具の固定も忘れずに

地震発生時、電子ピアノだけでなく、家の中にある多くの家具が転倒・落下し、命を脅かす凶器となる可能性があります。特に、背の高い家具や重い家電製品は、避難経路を塞いだり、下敷きになったりする危険性が高いため、電子ピアノと同様にしっかりと固定することが重要です。

主な家具や家電の固定方法を以下の表にまとめました。ご自宅の状況に合わせて適切な対策を選びましょう。

家具・家電の種類 推奨される固定方法 ポイント・注意点
本棚・食器棚・タンス(背の高い家具) L字金具、突っ張り棒、ポール式器具 壁や天井にしっかりと固定。重心が高い家具は特に注意が必要です。
冷蔵庫・洗濯機(大型家電) 粘着マット、耐震ベルト、キャスターロック 粘着マットは設置面に隙間なく貼る。壁に固定できるベルトも有効です。
テレビ(薄型テレビ含む) テレビ台への固定ベルト、転倒防止マット テレビ台とテレビ本体をベルトで固定。専用の耐震マットも併用しましょう。
電子レンジ・オーブン 粘着マット、滑り止めシート カウンターや棚の上に置く場合は、滑り止め対策が必須です。
照明器具(シーリングライトなど) 落下防止チェーン、ネジの緩み確認 取り付け金具の点検を定期的に行い、緩みがないか確認しましょう。

これらの対策を徹底することで、地震発生時の負傷リスクを大幅に軽減し、安全な避難経路を確保できます。特に子供部屋や寝室など、長時間過ごす場所の家具は優先的に固定しましょう。

4.2 地震発生時の行動シミュレーション

事前の対策だけでなく、実際に地震が発生した際にどのように行動するかを家族でシミュレーションしておくことも極めて重要です。「その時」に冷静かつ的確に行動できるかが、命を守る鍵となります。

4.2.1 緊急地震速報が鳴った直後の行動

緊急地震速報が鳴ったら、まずは「DROP! COVER! HOLD ON!」の原則に従い、身の安全を最優先に確保します。

  • DROP(まず低く):頭を低くし、姿勢をかがめます。
  • COVER(頭を守り):頭や首をクッションやカバンなどで保護します。
  • HOLD ON(動かない):丈夫な机やテーブルの下にもぐり、脚をしっかりと掴んで揺れが収まるまで待ちます。電子ピアノや他の家具から離れ、落下物の危険がない場所を選びましょう。

揺れている最中に無理に火を消しに行ったり、外に飛び出したりすることは大変危険です。揺れが収まってから、落ち着いて次の行動に移りましょう。

4.2.2 揺れが収まった後の行動と避難計画

大きな揺れが収まったら、以下の点を確認し、行動に移ります。

  • 火の始末:ガスの元栓を閉め、電気器具のブレーカーを落とします。
  • 避難経路の確保:ドアや窓を開けて、いつでも避難できるようにします。
  • 家族の安否確認:声をかけ合い、怪我がないか確認します。
  • 避難の判断:自宅が安全か、周辺に二次災害の危険がないかを確認し、必要であれば避難を開始します。

家族で事前に避難場所や避難経路、集合場所を確認しておくことが重要です。お住まいの地域のハザードマップを確認し、自宅周辺の危険箇所や指定避難場所を把握しておきましょう。例えば、内閣府の防災情報のページでは、ハザードマップの活用方法や地域の防災情報について詳しく解説されています。

4.3 日頃からの備えと家族との共有

災害対策は、一度行ったら終わりではありません。日頃からの継続的な備えと、家族全員での情報共有が、いざという時の助けとなります。

4.3.1 非常用持ち出し袋と備蓄品の準備

災害発生後、電気・ガス・水道などのライフラインが停止する可能性があります。最低でも3日分、可能であれば1週間分の食料や水を備蓄し、非常用持ち出し袋を準備しておきましょう。

カテゴリ 主な内容物 ポイント
水・食料 飲料水(1人1日3L目安)、非常食(缶詰、レトルト食品、栄養補助食品など) 定期的に消費期限を確認し、入れ替えましょう(ローリングストック法)。
情報・明かり 手回し充電ラジオ、懐中電灯、予備電池、モバイルバッテリー 停電時でも情報収集と明かりの確保ができるように。
衛生用品 ウェットティッシュ、消毒液、簡易トイレ、生理用品、トイレットペーパー 断水時でも清潔を保てるように。
救急用品 絆創膏、包帯、消毒液、常備薬、体温計 家族の持病薬は多めに準備し、処方箋のコピーも入れておくと安心です。
その他 現金(小銭含む)、身分証明書のコピー、軍手、ホイッスル、筆記用具、防寒具 緊急時に役立つ小物をまとめておきましょう。

非常用持ち出し袋は、玄関や寝室など、すぐに持ち出せる場所に置いておくことが重要です。

4.3.2 家族との情報共有と連絡方法の確認

災害発生時には、家族がバラバラの場所にいる可能性もあります。日頃から以下の点を家族で話し合い、共有しておきましょう。

  • 連絡方法:災害用伝言ダイヤル171、災害用伝言板、SNSなどの利用方法を確認。
  • 集合場所:自宅が被災した場合の、一時的な集合場所と広域避難場所を複数決めておく。
  • 役割分担:家族それぞれの役割(子供の保護、高齢者の支援、ペットの世話など)を決めておく。
  • 安否確認の方法:離れた親戚や友人の安否確認方法も決めておく。

定期的に防災訓練に参加したり、家族で防災について話し合う機会を設けたりすることで、災害への意識を高め、いざという時にスムーズに行動できるようになります。東京都防災ホームページでは、防災に関する様々な情報や「東京防災」という冊子が公開されており、具体的な対策に役立ちます。

これらの対策は、電子ピアノの転倒防止ベルトと並行して行うことで、災害に対する備えをより強固なものにします。家族の命と大切な財産を守るため、今日からできることから始めていきましょう。

5. まとめ

本記事では、電子ピアノの転倒防止対策の重要性から、最適な転倒防止ベルトの選び方、正しい取り付け手順、そしてベルトと合わせて行いたい総合的な災害対策までを詳しく解説しました。

地震大国である日本では、いつどこで大規模な地震が発生してもおかしくありません。もし電子ピアノが転倒すれば、家族の命を危険に晒すだけでなく、大切な楽器も破損してしまう可能性があります。しかし、適切な転倒防止ベルトを選び、正しく設置することで、そのリスクを大幅に軽減できます。

大切なのは、この記事で得た知識を「今日から行動に移すこと」です。ご自身の電子ピアノの設置状況を確認し、最適な転倒防止ベルトを選び、この記事の手順に沿って取り付けを行ってください。さらに、電子ピアノ以外の家具の固定や、家族での防災訓練、日頃からの備蓄など、多角的な視点での災害対策も併せて進めましょう。

備えあれば憂いなし。今すぐできる対策を講じることで、災害時も家族と大切な電子ピアノを守り、安心して暮らせる環境を整えることができます。

     

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