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備蓄の盲点?「非常食 飴」でストレス軽減!災害時に心強い一粒の見つけ方

地震や台風などの災害時、主食となるレトルトご飯や缶詰、保存水はしっかり備えていても、「非常食に飴(キャンディ)を入れる」という発想は意外と見落とされがちです。このページでは、非常食として飴を備蓄するメリットや、どんな飴を選べば災害時に本当に役立つのかを、防災・備蓄の観点からわかりやすく解説します。結論から言うと、飴は手軽なエネルギー補給源であるだけでなく、ストレス緩和や口の渇き対策、子どもや高齢者のメンタルケアにも役立つ「小さくても心強い非常食」であり、防災リュックや自宅の備蓄にぜひ加えたいアイテムです。

この記事を読むことで、災害時に飴がどのように役立つのか(エネルギー・糖分補給、塩分補給、ストレス軽減、気分転換など)、非常食として適した飴の選び方(長期保存・賞味期限、個包装の有無、栄養機能や塩分・ビタミンの有無、アレルギー表示、持ち運びやすさ、味のバリエーション)を具体的に理解できます。また、日本国内で入手しやすい人気の「非常食向きの飴」の例や、防災リュック・車載用・職場・避難所など、実際の活用シーンに合わせた備蓄術、日常で食べながら備えるローリングストックのコツまで網羅的に紹介します。非常食のラインナップを見直し、「非常食 飴」というキーワードで探している方の疑問や不安を一度に解消できる内容になっています。

1. 非常食に「飴」が必要な理由とは?備蓄の盲点を見直そう

非常食というと、アルファ化米やレトルト食品、缶詰、カップ麺といった「主食」や「おかず」をイメージしがちです。その一方で、多くの家庭で見落とされがちなのが、飴(キャンディー)をはじめとする「小さな甘い非常食」です。しかし、実際の被災経験や各自治体の防災ガイドでは、チョコレートやキャンディーなどの甘味が「あると助かる備蓄品」として紹介されることがあります(例:東京都防災ホームページ)。

停電や断水、物流の混乱が続く中では、温かい食事やバランスの取れたメニューを毎回用意することは難しくなります。そんな場面で口に入れやすく、気分を和らげ、最低限のエネルギーと安心感を与えてくれる「飴」は、想像以上に心強い存在になります。

まずは、主食系の非常食と飴の役割の違いを整理しながら、「なぜ非常食セットに飴を入れておくべきなのか」を見直してみましょう。

分類 代表的な例 主な役割 飴との違い・補完関係
主食系非常食 アルファ化米、レトルトご飯、缶詰パンなど エネルギー源の確保、満腹感の維持 調理や配膳が必要な場合も多く、時間や水・燃料が限られる場面では食べにくいことがある
おかず系・おかし系非常食 缶詰、ビスケット、チョコレート、飴など 栄養の補助、嗜好性の向上、ストレス緩和 なかでも飴は、噛まずになめられるため、疲れていても口に入れやすく、少量でも満足感や安心感を得やすい
飲料・水分 飲料水、スポーツドリンク、経口補水液など 脱水症状の予防、ミネラル補給 飴だけでは水分は補えないが、のどの乾きをやわらげ、少量の水でも「潤った感覚」を得やすくする補助的な役割を果たす

このように、飴は主食の代わりにはなりませんが、不足しがちな「気力」「安心感」「ちょっとしたエネルギー」を補うサポート役として、防災備蓄のバランスを整える存在です。特に、子供や高齢者、持病のある人がいる家庭では、飴があることで食の選択肢が増え、避難生活の負担軽減につながります。

また、内閣府 防災情報のページなどでも、平時からの備蓄や心身の健康維持の重要性が繰り返し呼びかけられています。主食だけでなく、「食べる楽しみ」や「リラックス効果」をもたらす甘味類を意識的に備えておくことが、結果として防災力の向上につながると考えられます。

1.1 災害時の心強い味方 飴がもたらす多角的な効果

飴が非常食としておすすめされる理由は、「甘くておいしいから」というだけではありません。飴は、エネルギー補給・脱水予防のサポート・ストレス緩和・コミュニケーションのきっかけづくりなど、複数の役割を一粒で担える点が大きな特徴です。

特に、避難所生活では食事内容が偏りやすく、甘味や間食が不足する傾向があります。長時間の不安や緊張、慣れない環境にさらされる中で、甘い飴を口にすることは、心身のコンディションを整える一助となります。ここでは、飴がもたらす効果を主に三つの視点から掘り下げていきます。

1.1.1 手軽なエネルギー補給と疲労回復

砂糖を主成分とする飴は、少量でも効率よくエネルギーを補給できる「即効性のある非常食」です。ブドウ糖や砂糖は体内で分解・吸収されやすく、血糖値を一時的に上げることで、頭がぼんやりする・力が入らないといった低血糖に近い状態を和らげる助けになります。

例えば、片付けや給水の列に並ぶなど、被災後の作業が長時間に及ぶとき、食事の時間を十分に取れないケースがあります。そのような場面で、ポケットからさっと取り出してなめるだけでエネルギーを補給できる飴は、行動を止めずに疲労感を軽減できる点で非常に実用的です。

また、日頃から「仕事中に飴やタブレットをなめると集中しやすい」と感じている人も多いのではないでしょうか。これは、甘味によるエネルギー補給と、口を動かすことで気持ちがリフレッシュする効果が組み合わさっていると考えられます。災害時も同様に、飴は作業の合間のちょっとした「ガソリン」の役割を果たしてくれます。

さらに、e-ヘルスネット(厚生労働省)でも、糖質が人の主要なエネルギー源であることが解説されています。もちろん、糖分の摂り過ぎには注意が必要ですが、一時的なエネルギー不足を補うという意味で、飴は非常時に扱いやすい糖質源といえます。

1.1.2 口の渇きを潤しストレスを和らげる

災害時には、水や飲料の確保が最優先事項になりますが、常に十分な量の水分を自由に飲めるとは限りません。そんな中で、飴をなめることで唾液の分泌が促され、口の中の乾きや不快感をやわらげる効果が期待できます。特に、冷暖房が効きにくい環境や、マスク着用が続く場面では、口の渇きがストレスにつながりがちです。

もちろん、飴自体には水分がほとんど含まれないため、脱水症状そのものの対策にはなりません。しかし、「のどがカラカラでつらい」「口の中がねばつく」といった不快感を軽減し、限られた飲料水を少しずつ大切に使うための補助的な役割を果たしてくれます。

また、甘味には心理的な安心感をもたらす側面があります。緊張や不安が続くと、自律神経のバランスが崩れ、胃腸の不調や頭痛、睡眠の質の低下などにつながることがあります。そんなとき、「いつもの味の飴」をなめる行為そのものが、ホッと一息つくための小さな儀式となり、ストレスをやわらげる効果が期待できます。

特に、レモン味やミント味などのさっぱりしたフレーバーの飴は、気分転換や眠気覚ましにも役立ちます。避難所の雑多な環境の中で、「口の中だけでもさっぱりさせたい」「甘いものが少しだけほしい」と感じたとき、飴は非常に取り入れやすい選択肢となります。

1.1.3 子供や高齢者の安心材料として

災害時に特に配慮が必要なのが、子供や高齢者、要配慮者の心身のケアです。慣れない環境や大きな音、暗闇、親とはぐれる不安など、子供が受けるストレスは大きく、夜泣きや食欲低下、体調不良につながることもあります。一方、高齢者は食欲が落ちたり、かたいものが噛みにくかったりと、通常の非常食では十分に栄養を摂りにくい場合があります。

このような場面で、飴は「安心できる味」「口に入れやすい食べ物」として、心のよりどころになり得る存在です。小さな子供にとっては、甘い飴をもらうことが「頑張ったごほうび」や「怖くないよ、そばにいるよ」という大人からのメッセージになり、気持ちを落ち着かせるきっかけになります。

高齢者や入れ歯の人、咀嚼力が弱い人にとっても、飴は噛まずになめるだけで楽しめるため、食欲がないときや、固形物を受け付けにくいときでも口にしやすい非常食です。味のバリエーションをいくつか用意しておけば、「今日はどの味にしようか」と会話が生まれ、周囲とのコミュニケーションのきっかけにもなります。

ただし、小さな子供や嚥下機能が低下している高齢者では、飴がのどに詰まるリスクもあります。そのため、対象年齢や、その人の嚥下状態に応じて、飴の大きさや硬さ、与え方を工夫することが重要です。大人が必ず見守りながら、無理のない範囲で活用するようにしましょう。

このように、「一粒の飴」は単なるおやつではなく、エネルギー補給・口の中のケア・心の安定・家族のコミュニケーションを支える、多機能な非常食として備蓄に加える価値があります。次に備蓄を見直すときには、主食や水だけでなく、「誰のために、どんな飴をどれくらい用意するか」という視点もぜひ取り入れてみてください。

2. 災害時に役立つ「非常食 飴」の選び方

非常食として飴を備蓄する際は、「とりあえず好きな飴を買っておけば安心」というわけではありません。災害時はライフラインの途絶や衛生環境の悪化、真夏・真冬の温度変化など、平時とはまったく異なる条件のもとで食べ物を管理しなければならないため、飴も「長期保存性」「衛生面」「栄養・ミネラル補給」「精神的な満足感」という4つの観点から総合的に選ぶことが重要です。

ここでは、家庭備蓄や持ち出し用リュックに入れておきたい「非常食 飴」を選ぶ際のポイントを、種類別・用途別にわかりやすく解説します。なお、飴はあくまで主食を補う「補助食品・嗜好品」であり、米や水、レトルト食品などの主食系非常食と組み合わせて備えることが前提です。この点は、家庭での食料備蓄を推奨する農林水産省の家庭備蓄ガイドや、災害への自助を呼びかける内閣府 防災情報のページでも繰り返し強調されています。

2.1 長期保存可能な非常食 飴の種類と特徴

飴は水分が少ないため比較的日持ちしやすい食品ですが、すべてが「非常食向き」というわけではありません。特に、チョコレートやキャラメルのような油脂分・乳成分を多く含むものは、高温下で溶けたり酸化したりしやすく、賞味期限も短めです。一方、砂糖を主原料としたハードキャンディやタブレットは、直射日光や高温多湿を避けて保管すれば多くの商品で1〜2年程度、非常食仕様の長期保存タイプでは5年程度の賞味期限が設定されているケースもあります(必ずパッケージを確認してください)。

以下の表は、一般的に非常食として備えやすい飴の種類と、その特徴をまとめたものです。実際に選ぶ際は、これらを組み合わせることで、エネルギー・塩分・ビタミン・気分転換といった役割をバランスよくカバーしやすくなります。

種類 賞味期限の目安 主な特徴 非常食としての活用ポイント
ハードキャンディ(フルーツ・ミントなど) 1〜2年程度の商品が多い 砂糖と水飴が主体で水分が少なく、比較的長期保存しやすい。味の種類も豊富。 素早く糖分補給ができ、口さみしさや不安感を紛らわせるのに役立つ。家族全員が食べやすい味を選びやすい。
塩飴・塩タブレット 1〜2年程度の商品が多い 食塩や電解質、クエン酸などを含み、汗で失われる塩分補給を目的としたものが中心。 夏場の避難生活や復旧作業中の熱中症対策として、こまめな水分補給と合わせて活用。ただし持病がある人は塩分量に注意。
ブドウ糖タブレット・ラムネ菓子 1〜2年程度の商品が多い ブドウ糖が主成分で、吸収が早く、短時間でエネルギーになりやすい。 空腹時や疲労時、低血糖が心配な場面で少量ずつ摂取。水がなくても食べやすいものを選ぶ。
ビタミン・ミネラル強化飴 1〜2年程度の商品が多い ビタミンC・ビタミンB群・亜鉛などを添加した栄養機能食品タイプ。 野菜や果物が不足しがちな被災時の栄養バランスを、少しでも補う目的で取り入れる。
のど飴・ハーブキャンディ 1〜2年程度の商品が多い ハーブやメントール、殺菌・消炎成分を含むものもあり、のどの乾燥や違和感の軽減を目的とする。 避難所の乾燥した空気やマスク生活で荒れやすいのどをケア。刺激が弱いタイプを選ぶと子どもや高齢者もなめやすい。
黒糖飴・はちみつ飴 1〜2年程度の商品が多い 黒糖やはちみつ由来のミネラルや風味が特徴。コクのある甘さで満足感が高い。 少量でも満足感が得やすく、疲れたときのご褒美的な役割に向く。乳幼児にははちみつ入りは避けるなど年齢に注意。

同じ飴でも、メーカーや商品によって賞味期限や保存条件は異なります。購入時にはパッケージに記載された「賞味期限」「保存方法(高温多湿を避ける・直射日光を避けるなど)」を必ず確認し、家庭での保管場所(押し入れの上段・廊下の収納・クローゼットの中など)も含めて長期保存しやすいかをイメージしておくことが大切です。

また、非常用持ち出し袋に入れる分は、真夏の車内や玄関脇など高温になりやすい場所を避け、できるだけ温度変化の少ない場所に置く工夫をしましょう。賞味期限が近づいた飴は日常のおやつとして消費し、新しいものを買い足す「ローリングストック」のサイクルを作っておくと、ムダなく備蓄が継続できます。

2.1.1 個包装で衛生的かつ持ち運びやすい飴

災害時の避難所や車中泊では、手洗い場が混雑していたり、十分な水が使えなかったりして、平時よりも衛生環境が悪くなりがちです。そのような状況で大袋入りのお菓子をシェアすると、手や口を介してウイルスや細菌が広がるリスクが高まります。非常食として飴を備えるなら、1粒ずつ個包装されたタイプを選ぶことで、衛生面のリスクを減らしながら、必要な分だけを取り出しやすくなります

個包装タイプの飴には、以下のようなメリットがあります。

  • 開封のたびに新しい個包装を開けるため、多人数で分けても手指や空気中の汚れが移りにくい。
  • 1粒あたりのカロリーや塩分を把握しやすく、食べ過ぎを防ぎやすい。
  • ポケットや小さなポーチに数粒だけ入れて持ち歩くなど、シーンに合わせた携帯がしやすい。
  • 家族や近所の人と分け合うときも公平に配りやすく、トラブルが起こりにくい。

さらに、個包装を外側からまとめるパッケージ形態にも注目しましょう。チャック付きのスタンドパックや缶入り、プラスチックボトル入りなど、開封後も中身を保護しやすいものを選ぶと、避難所での保管・持ち運びがぐっと楽になります。逆に、開封した瞬間にすべての個包装がばらけてしまうタイプは、避難所の雑多なスペースでは紛失や破損の原因になりやすいため、別途小さなポーチやジッパー付き袋を用意しておくと安心です。

なお、個包装の材質や形状も、安全性と食べやすさに関わります。鋭くとがったプラスチックフィルムは、暗い場所や揺れる車内で開封する際に手を切ることもあるため、簡単に手で開けられる「切り込み(ノッチ)」付きの個包装かどうかも事前に確認しておくとよいでしょう。子どもが自分で開けられるか、シニアが指先の力が弱くても扱えるか、といった観点も大切なチェックポイントです。

2.1.2 栄養機能食品や塩分補給ができる飴

災害時は、十分な食事がとれず、栄養バランスが偏りやすくなります。また、真夏の停電や断水のなかで復旧作業を行う場合、汗とともに大量の水分と塩分が失われます。こうした状況では、エネルギーだけでなく「塩分」「ビタミン」「ミネラル」も意識して補える飴を一部に組み込んでおくと、体調管理の一助になります。

店頭では、「塩飴」「熱中症対策」「電解質」「クエン酸入り」「ビタミンC配合」「栄養機能食品」などの表示がある飴が販売されています。非常食として選ぶ際は、パッケージ裏面の栄養成分表示を確認し、1粒あたりのエネルギー(kcal)、炭水化物(糖質)量、食塩相当量、含まれるビタミン・ミネラルの種類をチェックしましょう。以下に、目的別に選び方のポイントを整理します。

目的 適した飴のタイプ 選ぶときのチェックポイント
エネルギー補給(空腹・疲労時) ハードキャンディ、ブドウ糖タブレット、ラムネ菓子 1粒あたりのエネルギー量を確認し、数粒で100kcal前後になるかの目安を把握。甘さが強すぎないものを選ぶと継続して取りやすい。
塩分・電解質補給(暑さ・発汗時) 塩飴、塩タブレット、電解質入りキャンディ 1粒あたりの食塩相当量を確認し、連続してなめる場合に塩分過多にならないか注意。高血圧や腎臓病がある人は摂取量を事前に医師と相談しておく。
ビタミン補給(野菜・果物不足対策) ビタミンC・B群・マルチビタミン配合の栄養機能食品飴 「栄養機能食品」表示の有無と、1日あたりの摂取目安量・上限量を確認。特定のビタミンだけを過剰にとりすぎないよう、他のサプリメントとの併用にも注意。
のどの乾燥・口内の不快感対策 のど飴、ハーブキャンディ、キシリトール入りキャンディ 刺激が強すぎないか、メントールや薬用成分の有無を確認。子どもにはマイルドなものを選び、薬用成分入りは用法・用量を守る。

特に、ビタミンやミネラルが添加された飴には「栄養機能食品」と表示されているものがあります。この表示は、厚生労働省が定める基準に沿って特定の栄養成分を一定量以上含む商品に認められるものであり、摂取の目安量や注意事項も必ず記載されています。詳しくは、食品表示全般を解説している消費者庁 食品表示に関する情報も参考になります。

一方で、人工甘味料を使用したカロリーオフタイプの飴は、ダイエット中には便利ですが、災害時のエネルギー補給という目的にはあまり向きません。非常食としては、「きちんとエネルギーになる糖質」を含んだ飴を基本にしつつ、塩分やビタミンを補うタイプを少しずつ組み合わせる構成が現実的です。なお、糖尿病など持病のある人は、主治医と相談のうえ、自分に合った飴や摂取量を事前に検討しておきましょう。

2.1.3 味のバリエーションで気分転換を促す飴

長引く避難生活では、肉体的な疲労だけでなく、ストレスや不安、緊張が大きな負担になります。過去の大規模災害の経験からも、温かい飲み物や甘いお菓子が「ほっと一息つく時間」を生み、心のケアにつながったという声は多く聞かれます。飴もその一つで、一粒で甘さや香りを楽しめることが、子どもから大人までの気分転換やコミュニケーションのきっかけになるという点は、非常食として見逃せないメリットです。

備蓄する際は、同じ味だけを大量に買うのではなく、以下のようにバリエーションを意識して選ぶと、飽きにくくなります。

  • 家族全員が食べやすい「フルーツ系」「ミルク系」のベーシックな味
  • 大人向けの「コーヒー味」「紅茶味」「抹茶味」など、リラックスタイムに合う味
  • 眠気覚ましや気分転換に役立つ「ミント系」「ソーダ系」のさわやかな味
  • 具合が悪いときでも受け入れやすい、酸味が穏やかなレモン味・はちみつレモン味

同時に、アレルギーや好みの違いにも配慮しましょう。乳成分・小麦・大豆・りんごなど、食品表示義務・推奨があるアレルゲンが含まれている飴も少なくありません。家族のアレルギー情報を踏まえ、「誰がどの飴を食べられるか」を事前に確認してから備蓄することが大切です。また、香りが強すぎる飴は、狭い避難所空間では周囲の人の不快感につながる場合もあるため、匂いの穏やかなものも組み合わせておくと安心です。

味のバリエーションを保ちつつ賞味期限を切らさないためには、日常生活の中で少しずつ食べ、食べた分だけ同じ種類・違う味を買い足す「ローリングストック」が有効です。普段から家族がよく食べる飴を中心に選んでおけば、災害時にも「いつもの味」が心の支えとなり、環境の変化によるストレスをやわらげる助けになります。

3. 備蓄におすすめの「非常食 飴」人気商品と活用術

3.1 定番からユニークな非常食 飴まで

非常食というとごはんや缶詰、水などの「主食・主菜」ばかりに目が向きがちですが、飴は少量でもエネルギーと安心感を同時に得られる、コストパフォーマンスの高い防災アイテムです。種類ごとの特徴を押さえて選べば、災害時のストレスや体調不良の予防にもつながります。

飴を非常食として備蓄する際は、次のような観点でラインナップを組み立てると、家族みんなが使いやすい「飴の防災セット」が作りやすくなります。

  • 長期保存しやすく、個包装で衛生的かどうか
  • 糖分だけでなく、塩分やビタミンなども補えるかどうか
  • 子ども・高齢者・持病のある人など、家族構成に合った味や硬さかどうか
  • 避難所や車中泊など、限られた環境でも食べやすい形状かどうか

以下の表では、防災備蓄に組み込みやすい飴のタイプと特徴を整理しています。

タイプ 主な特徴 想定シーン 選び方のポイント
塩飴・塩タブレット 塩分と糖分を同時に摂取でき、発汗時の塩分補給や熱中症対策に役立つ。 夏場の避難生活、炎天下での片付け作業時、体育館など暑い避難所での生活。 塩分量が明記されているもの、個包装で溶けにくいタイプ、ミネラル入りのものを選ぶ。
のど飴・ハーブキャンディ のどの乾燥を和らげ、ミントやハーブの香りでリフレッシュできる。 乾燥した避難所、マスク着用時、咳や違和感を感じるときのケア。 刺激の強すぎない味、ノンシュガーや低刺激タイプと通常タイプを混在させると使い分けしやすい。
フルーツキャンディ 甘味と酸味で疲労感を軽減し、ビタミンCなどを含む商品もある。 ストレスがたまりやすい長期避難、子どもの気分転換や間食代わり。 複数の味がアソートされたもの、噛まずにゆっくり舐められる硬さのものを選ぶ。
ミルクキャンディ まろやかな甘さで満足感が高く、空腹感を紛らわせやすい。 食事間隔が空きがちなとき、甘いものが苦手な人が少ない場面での共有用。 溶けにくい個包装タイプ、乳成分アレルギーの有無を事前に確認して購入する。
タブレット・ラムネ菓子 口どけが早く、糖分をすばやく補給できる。小粒で携帯しやすい。 歩きながらの避難、車中泊、登下校中や通勤中の「持ち出し用」. ケース入りやチャック付き袋など、開封後も保存しやすい容器のものを選ぶ。
栄養機能食品タイプのキャンディ ビタミンやミネラルなど、特定の栄養素を補える機能性表示のある飴。 野菜・果物不足が気になる長期の避難生活、偏った食事になりがちなとき。 どの栄養素が補えるのか、表示を確認しつつ、普段から味や体質に合うか試しておく。

商品を選ぶ際は、パッケージの原材料表示・アレルギー表示・栄養成分表示・賞味期限を必ず確認し、自宅の環境や家族の体質に合ったものを選びましょう。特に、乳成分・卵・小麦・ナッツ類などにアレルギーがある場合は、誤食を防ぐためにも「アレルギー対応の飴」や「シンプルな原材料の飴」を備蓄しておくと安心です。

また、非常食用として購入する飴は、災害時だけに使うのではなく、日常のおやつや外出時にも少しずつ消費しながら補充するローリングストックを行うことで、常に新しい賞味期限のものを備えておくことができます。

3.2 災害時に役立つ非常食 飴の活用シーン

飴は「おやつ」のイメージが強いですが、災害時には低血糖対策・熱中症対策・ストレスケア・コミュニケーションのきっかけなど、さまざまな場面で役立ちます。ここでは具体的なシーン別に、どのように活用できるかを整理していきます。

3.2.1 低血糖対策や気分転換に

災害直後は緊張や不安で食欲が落ちやすく、また炊き出しや配給まで時間が空くこともあります。そのようなとき、飴は少量ですばやく糖分を補給し、めまいやふらつきなど低血糖のサインを和らげるのに役立つ可能性があります。

  • 朝食を抜いたまま避難したときの「つなぎ」として

    突然の避難で食事がとれないまま移動が続く場合、フルーツキャンディやタブレットラムネを数粒なめることで、エネルギー切れを防ぎやすくなります。水分がすぐに確保できないときでも、飴なら口の中でゆっくり溶かしながら糖分を摂取できます。

  • 片付け・ボランティア作業中のエネルギーチャージとして

    がれきの片付けや荷物運びなどの肉体労働が続くときは、塩飴や塩タブレットで塩分と糖分を補いながらこまめに休憩をとることで、熱中症や脱水のリスクを下げることが期待できます。ただし、持病のある人や塩分制限が必要な人は、医師の指示や日ごろの目安を踏まえて摂取量に注意しましょう。

  • 強いストレスを感じたときの「気持ちの切り替え」に

    慣れない避難所生活では、騒音やプライバシーのなさからストレスがたまりがちです。ミント系ののど飴や、好みのフレーバーのキャンディを一粒口に含むだけでも、「ほっと一息つく時間」をつくることができます。甘味や香りによるささやかな楽しみは、長期の避難生活でこそ大切な要素です。

このように、飴は単に甘さを楽しむだけでなく、身体と心の両面から非常時を支える「栄養補助・気分転換アイテム」として活用できます。

3.2.2 家族みんなで楽しめる備蓄術

せっかく飴を備蓄するなら、災害時だけでなく平常時から家族全員で使いながら、自然に入れ替えていける仕組みにしておくと、管理の手間も減り、いざという時にも「いつもの味」で安心感が得られます。

  • 「防災ボックス用」と「持ち出し用」に分けて常備する

    自宅には箱や収納ケースに入れた「防災ボックス用の飴」を、玄関・車・通勤バッグなどには「持ち出し用の小分けセット」を用意しておきます。持ち出し用には、タブレット菓子や個包装のキャンディなど、移動中でも口に入れやすいタイプを選ぶと便利です。

  • 家族の好みとアレルギー情報を書いたラベルを貼る

    防災ボックスの中の飴には、「子ども用(イチゴ・グレープ)」「高齢の家族用(やわらかめ・ミルク系)」「大人向け(ミント・ハーブ)」など、対象と味の目安を書いたラベルを貼っておくと、避難所で暗い中でも選びやすくなります。アレルギーのある人がいる場合は、「この箱の飴は○○が含まれない」などのメモも添えておくと安心です。

  • 月に一度「防災おやつデー」を設定し、賞味期限を一緒にチェック

    月に一度、家族で防災備蓄を確認する日を決め、非常食のチェックとあわせて飴をおやつとして食べながら、残量と賞味期限を確認します。減った分はその場で「次はどの味にする?」と相談しながら買い足すことで、子どもにも防災意識を自然に身につけさせることができます。

  • 避難訓練や長距離移動時にも飴を活用する

    学校や地域の避難訓練、旅行や帰省など長距離移動の際にも、実際に防災用に備蓄している飴を持参し、使い心地や満足感を体験しておきます。実際に使ってみることで、「この味は飽きやすい」「もっとすっきりした味もほしい」などの気づきが得られ、備蓄の中身をより自分たちに合ったものへと改善できます。

飴は場所をとらず価格も手頃なため、防災備蓄のバリエーションを増やしやすい食品です。家族で話し合いながら、「疲れたときに元気が出る一粒」「不安なときに落ち着ける一粒」をイメージして選び、日常と非常時の両方で活用できるようにしておくことが、ストレスの少ない防災対策につながります。

4. まとめ

非常食の備蓄というと、アルファ米や缶詰、水などが中心になりがちですが、「飴」は精神面と身体面の両方を支える心強いアイテムです。少量で素早くエネルギー補給ができ、口寂しさや不安をやわらげる効果が期待できるため、避難生活のストレス軽減にも役立ちます。

また、飴をなめることで唾液が分泌されやすくなり、口の渇きをやわらげる一助になります。特に水が貴重な場面では、こまめに飲めない不安を少しでも軽くしてくれる存在です。甘い味や好みのフレーバーは、子どもや高齢者にとって「普段と同じ味」で安心感をもたらし、食欲が落ちたときの補助にもなります。

非常食用の飴を選ぶ際は、賞味期限が長く常温保存がしやすいこと、個包装で衛生的に配りやすいことを基本に、塩分やビタミンなどが補給できる機能性のあるものや、複数の味が入ったアソートタイプを組み合わせると、栄養補給と気分転換の両方をカバーしやすくなります。

実際の備蓄では、家族構成や持病、アレルギーの有無、子どもや高齢者の好みを踏まえ、甘味中心の飴だけでなく、塩飴や喉飴など種類を分けて用意しておくと、低血糖が心配なときや疲労感が強いとき、気分がふさぎがちな場面など、さまざまなシーンで活用できます。

非常食の飴はあくまで「主食を補うサポート役」ですが、心身のコンディションを整えるうえで重要な役割を担います。普段から好きな飴や非常時向けの飴を少し多めに買い、日常で消費しながら新しいものに入れ替える「ローリングストック」を意識することで、無理なく備蓄を続けることができます。今ある非常食を見直し、「飴」を一粒プラスすることで、災害時の心の余裕と安心感を高めていきましょう。

     

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